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2023.08.21

ウイングトラベル

★7月の訪日外客数232万人、コロナ前約8割回復

 中国除きコロナ前超え、3000万人に近づく

 日本政府観光局(JNTO)が発表した7月の訪日外国人旅行者数の推計値は、コロナ前の2019年同月比22.4%減の232万600人とコロナ前の8割近くまで回復した。とくに、回復が遅れる中国市場を除くと19年同月比で103.4%とコロナ前を上回り、8月10日からの中国からの訪日旅行の団体解禁で、3割まで回復した中国からの旅行者が戻れば、8月以降に全体でコロナ前の水準に戻るか、またはそれ以上の成長が見込まれている。
 訪日外国人旅行者数の1-7月累計は19年比33.6%減の1303万2900人で、中国からの訪日団体旅行の解禁で、年間でコロナ前の3000万人にどれだけ迫れるかに注目が集まっている。
 JNTOでは7月の訪日旅行者数について、地域別では韓国をはじめ東アジア地域が増加し、また、欧米豪中東地域ではとく米国、カナダが19年同月比を超えたことが押し上げ要因として挙げている。国際線定期便は2023年夏ダイヤ時点でコロナ禍前の約6割まで運航便数が回復、その後も東アジアを中心に増便・復便が続いているとしている。

 7月の出国日本人数89万人、コロナ前54%回復
 年間1000万人には下半期60%以上の回復必要

 一方で、7月の出国日本人数は19年同月比46.3%減の89万1600人となり、前月の46%から54%と、夏休みの海外旅行需要が拡大し、コロナ後で初めてコロナ前の5割の水準を超えた。
 今年に入っての回復度合いをみると、2019年比で1月の30%から2月35%、3月36%、4月34%、とコロナ前の3割台が続き、5月47%、6月46%と回復し、7月にようやく5割水準を突破した。
 観光庁の「アウトバウンド政策パッケージの取り組み、日本旅行業協会(JATA)の海外旅行促進プロジェクト、官民挙げた「今こそ海外!宣言」による海外旅行の機運醸成で、夏休み以降の回復を押し上げている。
 1-7月の累計出国日本人数は19年比59.8%減の450万5700人と、コロナ前の約4割にとどまる。年間1000万人へはコロナ前の50%までの回復が必要で、そのためには今後60%以上の回復が必要となる。秋から冬場の海外旅行需要の動向が、2000万人の鍵を握りそうだ。