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2023.04.20

WING

レイセオンが生んだ小型AESAレーダー「ファントムストライク」

 F-16搭載可能レーダーの「半分」サイズも「同等」性能

 レイセオン・テクノロジーズ傘下のレイセオン・インテリジェンス&スペースが開発した「ファントムストライク」は、小型化することが難しかったアクティブ・フェーズド・アレイ(AESA)レーダーを、見事なまでに小型化することに成功した。それにより、ドローンなど、小型の機体にも搭載することが可能になった。
 本紙の取材に応じたレイセオン・インテリジェンス&スペースのアナベル・フローレス最高執行責任者(COO、グローバルスペクトル支配)は、「F-16に搭載することができるサイズのレーダーに比べて約半分のサイズでありながら、同等の能力を発揮することができる」ことを明らかにした。
 フローレスCOOは「当社はレーダー関連技術の研究開発に長年に亘って従事してきた」としながら、「レーダーは当初、メカニカル・スキャン・アレイ方式で、“見たい”対象にレーダー自体を動かしていたが、この方式にはプロダクトが故障しやすいなど、いくつかの課題があった」と振り返った。その上で、「レイセオンはレーダーの進化の過程に貢献してきたことを自負しているが、そのなかで生まれてきたのがAESAレーダーだ」と話すなど、レーダー開発の歴史を紐解いた。
 「確かにメカニカル・スキャンド・アレイ方式のレーダーも非常に素晴らしい製品だ。当社としても、このレーダーを販売する身としては誇りに思う」としながら、「我々が開発してきたメカニカル・スキャンド・アレイ方式と同じような考え方および哲学で、新たに開発した小型のAESAレーダーの研究開発を進めた」ことを明かした。

※この記事の概要
・窒化ガリウム技術をフル活用
 アーキテクチャー変更で小型化成功
軽戦闘機が主たる市場、DCS販売も可能
 巨大な無人機市場にも広がり
日本市場では次期練習機に注目
 GCAPと運用する無人機搭載も視野   など