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2023.03.09

WING

ヴォロコプター、万博でJAL運航「ヴォロシティ」を大阪で公開

 実物大モックアップ展示、「見て・触れて・体感して」近未来実感

 ドイツのeVTOLメーカーであるヴォロコプター(Volocopter)は3月8日、複合商業施設「グランフロント大阪」北館1階に、同社が開発中の「ヴォロシティ」(Volocity)の実物大モックアップの展示を開始した。同社のクリスチャン・バウアー代表取締役兼最高財務責任者(CFO)が来日し、同機を活用した新たな空の移動手段を提供することに言及しつつ、「まずは大阪・関西万博でのサービスに向けて準備を進めているが、将来的には持続可能な移動手段としてサービスを提供していきたい」と話すなど、万博後も社会実装を進めていく方針を示した。なお、グランフロント大阪における機体の展示は12日まで。(バウアー氏のインタビューは別途、掲載予定)
 ヴォロコプターが開発を進めている「ヴォロシティ」は、短距離間および都市内運航に適した二人乗りのマルチローター機。計18個のモーター・ローターを搭載した完全電動型の機体で、巡航速度が時速90㎞、飛行距離は35㎞、最大積載量200㎏という機体だ。将来的には完全自律運航を目指すが、当初はパイロットが搭乗して、旅客1名を乗せるというスタイルで運航する。
 「ヴォロシティ」のウリの一つは、ヘリコプターにも勝る高い安全性で、ローター・モーターはもちろん、バッテリーにも多重の冗長性を持たせている。バウアー氏は「モーター・ローターが3基が停止しても飛行することができることは確認済み。(18基のうち離れた箇所のモーター・ローターであれば)3基以上であっても恐らく大丈夫であろう」としたが、「現実的には仮に1基が停止したとすれば、離陸地点に戻るか、あるいは飛行経路の途中に設けた緊急着陸地点に着陸することになるだろう」とコメントした。