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2022.12.08

WING

747最終号機がエバレットでロールアウト

 大量輸送時代築いた名機の生産も最後に

 かつて大量輸送時代という一時代を築き、その象徴となった747型機―――。その最終号機が12月7日(米ワシントン州現地時間)、米国ワシントン州シアトル近郊のエバレット工場からロールアウトした。この機体は1月~2月頃を目途に、顧客であるアトラスエアへと引き渡される計画だ。
 747型機は、日本航空(JAL)が世界で最も多く導入した機体だ。全日本空輸(ANA)も導入を進め、日本の高度経済成長期を支えた機体ともいえよう。
 この機体は1967年に生産がスタートし、数々の派生機が誕生し、54年間、実に半世紀以上もの長きに亘って、計1574機が生産された。
 なお、在来型747型機の生産には、数々の日本企業が参画。機体構造・装備品などでは例えば、三菱重工業は内側フラップおよび中央翼を、川崎重工業は外舷フラップ、SUBARU(当時:富士重工業)は補助翼とスポイラー、三菱電機も各種制御弁、ナブテスコは補助翼作動用機器、フラップ作動用機器、前脚ステアリング機器、横浜ゴムは飲料水タンクとハニカム材、島津製作所もフラップ駆動用部品、スポイラー作動用機器、APUドア作動用機器、主脚作動用機器などを担当した。
 最新型の747-8型機でも三菱重工業が中央翼を、島津製作所は後縁フラップ駆動システム構成品群、昇降舵フィールアクチュエータなどを、ナブテスコが補助翼、スポイラー飛行制御用構成品、日本飛行機も外舷フラップ、主脚扉、胴体フレームを、ジャムコがギャレーおよびラバトリー、昭和飛行機がギャレーを供給するなど、日本の航空機産業とも関りが深い。

※この記事の概要
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