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2022.11.18

ウイングトラベル

★旅行業界DI値40ポイント、前月から大幅に上昇

 TDB調査、全国旅行支援と水際対策緩和が効果

 

 帝国データバンク(TDB)によると、10月の「旅行代理店その他の予約サービス」の景況感を示すDI値は44.0となり、宿泊や旅客輸送サービスなどに次ぐ水準に達した。とくに前月から17.7ポイントの上昇は、観光産業全体の中で最も高い上昇率となった。10月11日から始まった全国旅行支援と水際対策緩和の効果が旅行業界の景況感を押し上げた。

 観光産業全体平均の観光DI値は41.0で、2019年11月以来2年11カ月ぶりの水準にまで上昇した。観光DI値は9月、10月と2カ月連続で改善。とくに10月は9月の5.5ポイントから大幅に増加した。

 それでも、全産業ベースの景気DI42.6と比較すると、観光DIは1.6ポイント低く、依然として全体を下回る状況が続いている。ただ、2021年9月には全産業の景気DIと観光DIの格差は16.9ポイントあり、約1年で15.3ポイント縮小したとしている。

※表=観光DIの内訳(出典:帝国データバンク)

 感染拡大で今冬需要懸念、政策の後押し必要

 観光産業のDIの内訳は、宿泊サービスの景気DIが53.3と15.9ポイント上昇、旅行代理店その他の予約サービスも40.0と前月の22.3から17.7ポイント上昇し、大幅に改善された。上昇率では旅行会社が最も高く、8月以降、3カ月連続で上向いた。旅行会社からは「新型コロナ第7波が収束してきた時に全国旅行支援もあり好調」などの声が聞かれたという。

 劇団、ゴルフ場、テーマパークなどを含む文化サービス/スポーツ・娯楽サービスは48.9で、前月から0.7ポイント減、観光バスやレンタカーなどを含む旅客輸送サービス/輸送設備レンタルサービスは45.6と6.4ポイント増だった。

 帝国データバンクでは、「全国旅行支援や水際対策緩和の効果が大きい」(旅館)、「全国旅行支援等の施策によりレンタカー需要が増加」(自動車賃貸)など、観光支援策によるプラス効果を感じている企業は多いとしている。

 ただ、11月から新規感染者が再び増加していることで、今冬の観光需要への影響が懸念されるとし、「ようやく上向き始めた観光産業へのさらなる政策的な後押しが必要」と指摘している。