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2022.06.29

WING

岸大臣、中・露艦艇に「軍事プレゼンス誇示」  

日本に対する恣意行為として警戒、台湾動向も注目  

 岸信夫防衛大臣は6月28日の閣議後会見で、日本周辺で活動を活発化させる中国艦艇およびロシア艦艇に言及し、中・露艦艇が短期間に同様の航路で日本を周回するかたちで航行したことは「両国によるわが国に対する軍事プレゼンスの誇示であり、わが国に対する示威行動と考えられる」と述べて、両国の動きを警戒。防衛省として、懸念を持って動向を注視していくとした。
  日本周辺では中国艦艇が6月12日から26日にかけて対馬海峡、津軽海峡、宗谷海峡を通過し、伊豆諸島周辺を航行した。これは日本列島をほぼ周回するような航行であり、海上自衛隊の艦艇および哨戒機が確認したところ。また中国艦艇に先立ち、ロシア艦艇も6月15日から21日にかけて同様の航行を行った。  
 また岸大臣は、そうした中・露艦艇の動きに加え、それとは別に中国艦艇が21日から24日にかけて、沖縄本島と宮古間を通過し、与那国島と台湾の間を航行したと説明。続けて23日と24日には、中国の爆撃機や情報収集機が沖縄本島と宮古島間の往復飛行を行ったとした。さらに台湾国防部の発表にも言及し、同期間に中国軍機が延べ57機も台湾の南西・南東の空域へ進入したと説明した。
  岸大臣は、日本周辺で実際の発生した事例を挙げると、近年では中国の海空戦力による「日本南西諸島および台湾周辺での海空域における軍事活動は、益々拡大している」とし防衛省・自衛隊として改めて周辺海空域の動向を注視し、警戒監視活動に全力を挙げる考えを強調した。

※写真=岸大臣は日本周辺で活動する中国の航空機および艦艇について、拡大する活動の警戒監視に全力を挙げるとした(提供:統合幕僚監部)