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2022.05.02

WING

「第151回 日本が危ない」国の存続かけて防衛費を増額せよ

防衛費の多くは運営維持
装備購入わずか16%程度

 

 日本4万円、米国22万円、韓国12万円、フランス10万円、ドイツ8万円、中国実態不明の為対象外――。防衛省がまとめた「1人当たりの国防費」(2020年度)の各国比較である。日本は主要国の中で突出して低いことがわかる。ロシアによるウクライナ侵略もあり、防衛費を増やすべきとの議論が起き、自民党は今夏の参院選の公約として掲げることを決めた。焦点は米国が同盟国などに求める軍事費の割合である国内総生産(GDP)2%以上だ。
 4月5日、自民党本部で安全保障調査会(会長は元防衛相・小野寺五典)が開かれ、防衛省、防衛装備庁および陸海空の幕僚監部の幹部らが「今、課題となる事項、求められる必要事項」を語った。防衛省側からは防衛費のうち4割が自衛隊員の給与や食事、2割は航空機や艦船の燃料費や維持費にかかる。戦車や護衛艦、戦闘機などの購入費に充てられるのは全体の15.8%しかない現実についての説明があった。
ウクライナ戦争ではAIやドローンを使った「新しい戦争」が展開されている。しかしながら、日本は質的にも量的にも立ち遅れている。我が国の科学技術費4.2兆円のうち防衛省関係はわずか3.9%。軍事関係の研究開発費が約4割を占める米国とは比べ物にならない。
 いざ有事となれば、自衛隊部隊の展開のため民間に協力を要請しないといけない。防衛省や自衛隊幹部の口からは語られる「現実」を聞いて、参加議員たちは「発想の転換が必要だ」との感想がもれた。

 

日本侵攻の警鐘と捉えよ
迅速な事態認定が日米の鍵

 

 米国からも「ロシアのウクライナ侵攻は中国の日本侵攻への警告である」(3月24日付ディフェンス・ニュース)との警鐘が寄せられている。執筆したランド研究所上級政治研究員のジェフリー・ホーナンは、日本が抱える4つの懸案を提示した。

 

(図:防衛白書抜粋)

 

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