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2022.03.09

WING

経営破たんエンストロム、ミッドテックスが買収で救いの手

メノミー工場再稼働、陸自ヘリサポートに安心材料か

 今年1月21日に突如経営破たんしたエンストロム・ヘリコプターは3月8日(米国テキサス州)、ミッドテックス社との間で、ほぼ全ての保有資産の売買契約を締結したことを発表した。エンストロムは連邦破産法チャプター7適用の手続きの一環として、ミシガン州西部地区連邦破産裁判所から承認を受けたものだとしており、新社名をエンストロム・エアロスペース・インダストリーズとして活動を再開する計画にあることを明かした。今後ミシガン州メノミニーの工場を再稼働する予定にあるという。
 エンストロムは親会社(当時)の重慶通用航空工業集団公司の財政状態が悪化したことで、経営破たんすることを余儀なくされた。エンストロム製の機体は、日本国内では陸上自衛隊が練習ヘリ「TH-480B」として運用していることから、そのサポート継続に懸念が生じていた。
 窮地に陥っていたエンストロムに救いの手を差し伸べたミッドテックス社のケビン・グリフィン氏は、「エンストロム社の資産を取得し、その施設を再開し、事業範囲を拡大できることを非常に嬉しく思う」とコメント。「すでに多くの元エンストロム従業員が契約ベースで働いてくれている。 買収完了後は、相当数の元エンストロム社の従業員に内定を出す予定」であることを明かすなど、再建に向けてすでに動き始めたことを明かした。

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