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2022.03.09

WING

第148回「日本が危ない」力の信奉者には力で立ち向かえ

力に対応できるのは力のみ
時代が変わったことを認識せよ

 

 ロシアによるウクライナ侵略は戦後の国際秩序を根幹から揺るがす事態であり、断じて許すことはできない。同時に日本にとっても教訓とすべきことは多い。力の信奉者に対しては、力でしか対抗できないということを示した。しかも、日本はロシアと中国という力の信奉者2カ国と海を挟んで対峙している。戦後、平和を享受してきた日本人は「時代が変わった」ということを認識すべきだろう。
 日本は戦後一貫して「軽武装、経済重視」を推進してきた。その中心となっているのが自民党の派閥「宏池会」であり、首相岸田文雄は9代目会長である。さすがの岸田も首相就任後、防衛費増額に取り組んでいる。当初予算と2021年度補正予算を合わせると過去最大となり、国内総生産(GDP)比で1%を超した。それでも今回のロシアによるウクライナ侵略で、ある自民党防衛関係議員は「令和5年度概算要求では補正予算を含まずそれだけでGDP比1%超にしないと、日本の決意を示すことにはならない」と強調する。
 軍事力の強化とともに、今回の侵略問題で注目を集めたのは、情報をいかに使っていくかということだ。
 米大統領ジョー・バイデンはウクライナへの軍事的圧力を強めたロシアに対し、米国の軍事力を使うことはないと早々に宣言した。代わりにバイデンが用いたのは経済制裁と情報だった。中でも特筆すべきは情報の開示である。

 

米国は情報を用いた戦争へ
情報開示で露軍侵略を牽制

 

 バイデン政権はロシア軍の動きについて、「質、頻度、深さにおいて前例のないほど」(米外交専門誌フォーリン・アフェアーズ)に公表した。米紙ニューヨーク・タイムズも「1962年のキューバのミサイル危機以来の異例の情報公開」と報じている。

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