記事検索はこちらで→
2021.09.21

WING

東北大、後退角主翼前縁部の乱流遷移メカニズム解明

半世紀未解明の後退翼前縁乱流遷移に世界で初めてメス

 東北大学流体科学研究所の焼野藍子助教授と大林茂教授が、スーパーコンピュータを活用して、大型旅客機などの後退角主翼前縁部で発生する空気の流れが乱流に遷移する元になる波の発生を、世界で初めて可視化・観察することに成功した。
 研究チームは今回の研究成果によってこれまで約半世紀に亘って未解明であった後退翼前縁部における遷移メカニズムが解明されたことに言及。その上で、この研究で有効性が確かめられた理論により、流れの遷移のしやすさの簡便な予測法の精度が著しく向上するとみており、将来的にはスーパーコンピュータにたよらない低計算コストな技術開発が可能になるなど、航空機開発において世界に一歩先んじる重要な成果であることを強調した。
 航空機の空力設計による低抵抗・低燃費化は1%以下のレベルでギリギリの開発競争が繰り広げられている分野。そうしたなか今回の東北大学の研究チームの成果は、次世代の亜音速旅客機、あるいは超音速旅客機の設計開発に大きな変化をもたらすことが期待できそうだ。

お試し価格で全文公開中です。