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2021.05.12

WING

日欧で空気中炭素循環利用した航空燃料共同研究に着手

 多段階リアクター開発、3段階ある反応系を1つのリアクターで

 科学技術振興機構(JST)が、日本と欧州の共同研究プロジェクト「高度バイオ燃料と代替再生可能燃料」において、「空気中炭素の循環利用による航空用燃料合成」に関する共同研究に取り組むことが分かった。
 同共同研究では脱化石燃料が難しい航空燃料を、二酸化炭素(CO2)と再生可能エネルギーから作り出すことが目的。再生可能エネルギーにより得られる電力を用い、回収した排出CO2と水電解により得られる水素から航空燃料に使用可能な液体炭化水素を合成する反応系を開発し、大気中にCO2を実質的に放出しない合成技術の確立を目指す。電極触媒、ナノ触媒、バイオ触媒を組み合わせた新しい多段階リアクター技術を開発し、CO2を循環的に利用する脱炭素代替燃料の効率的な合成を目指す。
 JSTは本紙取材に対して液体炭化水素合成プロセスについて、第1段階ではCO2の電気化学的還元によるCOの生成に取り組み、第2段階でバイオ触媒あるいは金属(酸化物)ナノ触媒によるCOと水素からC2-6の生成、そして第3段階で超強酸触媒などを用いたC2-6からC8-16の生成するという3段階のプロセスがあることを想定していると説明した。

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