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2021.04.01

WING

ATR42-600S、初号機納入を2024年に後ろ倒し

コロナ影響、昨年は風洞試験など実施

 ATRは開発中の短距離離着陸型(STOL)のATR42-600S初号機について、顧客に対する引き渡しスケジュールを、2024年に後ろ倒しすることを決めたことが分かった。コロナ禍が本格化する前の昨年2月に来日したATRのステファノ・ボルテリ最高経営責任者(CEO)は、2022年に初号機を顧客に引き渡しすることを表明していたが、新型コロナパンデミックが拡大。その開発作業に大きな影響を受けたかたちだ。
 一方で「風洞試験が実施されるなど、達成できたマイルストーンは少なくない」ともみており、スケジュールはコロナ影響を受けながらも着実に開発作業を進めていきたい方針だ。
 ATR42-600S型機は日本市場にとっても大きな注目を集めている市場だ。本紙の取材に対してATRは、「日本市場は1000メートル以下の滑走路を持つ空港が多数あり、観光や経済成長に貢献できるATR42STOLにとって大きな市場だと見ている」として、日本市場に高い関心を寄せていることに言及した。
 同機は800~1000メートルの滑走路の空港があれば、離着陸することが可能。日本国内では例えば、礼文、佐渡、調布、新島、神津島、小値賀、上五島、粟国、慶良間、波照間島といった、滑走路が短く運航に制約がある空港に対して就航することができる。・・・

 

C整備間隔を8000飛行時間にまもなく拡大
多機能コンピュータで運航効率向上も

 

 
2021年の機体納入数、最低でも20機見込む

 

今後5~7年間で代替需要が約900機
機材小型化でATRは新市場開拓チャンスに

 

※画像=ATR42-600Sの初号機引き渡しは2024年にスライド。新型コロナで影響を受けた(提供:ATR)

※写真=今年は20機の納入を計画しているが、ATRは市場における競争優位性に自信を抱く。コロナ禍でダウンサイジングが進でいることも追い風か(提供:ATR)