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2021.02.05

WING

JAL、国産バイオジェット燃料で本邦初商業フライト

ごく微量の国産燃料を投入、使用者として一連の製法確認

 日本航空(JAL)は2月4日、本邦航空会社として初めて国産のバイオジェット燃料を使った定期便運航を実施した。JALが定期便に投入したバイオジェット燃料は、東京大学発ベンチャーのグリーン・アース・インスティテュートが製造したもの。日本環境設計、地球環境産業技術環境機構らが回収した綿製(セルロース系)の古着からバイオジェット燃料を生成したものを活用した。
 JAL総合調達部燃料グループの上野和孝グループ長は「古着は持続可能なバイオジェット燃料の原料として成立することはないだろう」とコメント。「位置付けとしては、今後我々がSAFを利用していく上で、使用者としても一旦SAFを製造してみたということ。これを製法として確立させよう、継続していこうというよりは、今後様々なかたちでバイオジェット燃料を調達していく。国内でも他社と共同で開発を進めているが、まずはサンプルとして、使用者として製法を一通り勉強する意味合いが強い」と話した。
 なお、国産バイオジェット燃料を初めて搭載したのは2月4日に運航したJL319便(羽田発福岡行き)の787-8型機だった。JALによれば、今回製造したバイオジェット燃料は、当初は60リットル分を製造する予定だったが、製造過程で収率が20~30%程度悪化したため、当初予定よりも製造量は少なかったという。製造した純粋なバイオジェット燃料に、ケロシンを混ぜた400リットルを生成した。

 

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※写真=給油車からバイオジェット燃料を混合した燃料を給油。機体には前便の運航終了後の燃料が残っていることから、バイオジェット燃料を含む3400リットルの燃料を給油するなどした

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※写真=国産バイオジェット燃料を活用した初の定期便運航が実現。サステナブルな航空輸送に向けてまた一歩前進した