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2021.02.05

WING

東北大、無電極プラズマ推進機の推進効率20%まで向上

宇宙空間の電気推進機の大電力動作・長寿命化に期待

 東北大学は2月4日、同大学大学院工学研究科の高橋和貴准教授が無電極プラズマ推進機の推進効率が20%程度まで向上させることに成功することに成功したことを発表した。これにより、例えば電気推進機の大電力動作と長寿命化が期待されるとし、今後は無電極プラズマ発生方式の大電力化や高効率化、さらには磁気ノズル中のプラズマ現象の理解を進めることで、更なる推進性能向上を進める予定だという。
 磁気ノズルを用いた無電極プラズマ推進機は、宇宙空間における大電力推進機として期待される方式の一つ。高周波プラズマ源で電離した燃料ガスの磁気ノズル中での自発的加速を経て、高速で宇宙空間へと噴射することで推力を得ることができる。
 従来の推進機ではプラズマ生成・加速に用いる電極の損傷が問題だったとのことで、高橋准教授が考案した方式では、無電極でプラズマを発生可能な高周波プラズマ源と磁気ノズルと呼ばれる発散磁場中で生じる自発的プラズマ加速を組み合わせてプラズマ流を噴射することによって推力を発生させることにより、プラズマの生成から加速に至るまでプラズマに接触する電極がないため、電気推進機における最大の課題である電極の損傷を解決できる可能性を有しているという。・・・