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2021.02.04

WING

SUBARU、コロナ危機対応でタスクフォース設置

既存製品の高付加価値化やサプライヤー支援など検討
 
 SUBARU航空宇宙カンパニー戸塚正一郎プレジデントら幹部が本紙の取材に応じ、このコロナ禍における航空宇宙カンパニーの対応として、「3つのスローガンを掲げている」(戸塚プレジデント)ことを明らかにした。そのうちの1つが、事業規模のダウンサイジングだ。「ボーイング社が大幅に減産するため、我々としてもダウンサイジングして事業構造の見直しを進める」と、ダウンサイジングを図りながら事業構造改革に着手したことに言及。さらにゼロベースでの徹底的な経費節減に取り組むほか、全社的な対応として、航空宇宙部門を自動車部門がバックアップする体制となっていることも明らかにした。
 このダウンサイジングと経費節減の一環として、SUBARU航空宇宙カンパニー内に「複数のタスクフォースチームを編成した」とのことで、このタスクチームで「部門横断型の課題解決に取り組んでおり、既にいくつかの成果を挙げることに成功している」との認識を示した。
 SUBARU航空宇宙カンパニーの担当部長兼資材部長の松本崇氏(以下、松本部長)によれば、「各タスクフォースチームで吸い上げた課題を、若い世代が課題解決に向けた議論を行い、解決していく活動」であることを明かした。これまでに、社内の様々な課題はもちろんのこと、ヘリコプターなどの既存製品の売上拡大に向けて一層高付加価値化することができる搭載装備品の検討、さらにはサプライチェーンに対する支援のあり方など、多角的な活動を行っているとのことで、次世代の航空宇宙カンパニーを担う若手人財を中心に、この未曾有の危機を乗り越えて、その先の成長を虎視眈々と狙っている。

 

コロナで大打撃の国内航空機産業
防衛産業弱体化に懸念も

 

本当の危機は来年度以降
固定費圧縮に着手

 

サプライチェーン支えるSUBARU
採算悪化事業の内製化や効率化支援も

 

 

(以下、次号以降に続く)

 

※写真=コロナ禍で大打撃を受けているSUBARU航空宇宙カンパニー。危機に光を見出すべく、タスクフォースを立ち上げた。事業規模のダウンサインジグは余儀なくされるが、事業構造改革で急場を乗り切る。写真中央が戸塚プレジデント。松本崇担当部長兼資材部長、技術開発センター研究部兼回転翼機設計部部長の東稔俊史部長、技術開発センター次期戦闘機技術室の横塚誠室長、航空機第二部部長兼国内営業担当課長の山根章弘部長(昨年12月21日撮影)

SONY DSC

※写真=コロナ禍からの回復が比較的早い自動車産業の仕事をサプライヤーに斡旋するなどの取り組みも。写真中央は日本カー・オブ・ザ・イヤー2020を受賞した「レヴォーグ」