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2020.08.21

ウイングトラベル

★今夏航空座席供給量、全世界で昨年比「半分」

 OAGグラント氏「IATA8兆円損失予測は楽観的」

 新型コロナ危機の影響で、全世界的に今夏の航空需要の多くが喪失してしまっている。新型コロナ危機が顕在化した1月20日の週から数えてちょうど30週目に当たる今週、世界の航空会社が計画している座席供給量は5820万席に留まり、前年の座席供給量と比較して50.6%下回っていることがわかった。フライトデータサービスを提供する英国のOAGのジョン・グラント氏が8月17日(現地時間)に明らかにした。
 グラント氏は「先週と比較して今週の座席供給量の変化は6万7000席減少しており、変化率としては0.2%未満だった」とし、先週から小幅な変化だったことを指摘した。

 

 年末の座席供給量回復も危ういか
 9月第1目が回復のポイントにも

 新型コロナ危機発生以降、すでに30週目に突入したものの、依然として前年比約50%もの大規模な座席供給量削減が行われているが、「過去4週間でキャパシティは11%増加している」として、段階的に航空会社が座席供給量を増やしている様相だ。
 ただ、グラント氏は「通常ならば、12月最終週の全世界のキャパシティは、8月の通常の週に比べると、約1000万席減少する」との認識を示した上で、「このことを勘案すると、今年12月の最終週の提供座席予定数は1週あたり約4800万席となる計算だ。これは前年比ベースで約6200万席の減少となり、57%の減少に相当する」として警鐘を鳴らした。

 

※写真=新型コロナとの闘いは30週目に突入。それでも今なお昨年に比べて座席供給量は半分ほどに留まっている(提供:OAG)

 

※グラフ=1月20日の週以降の座席供給量推移(提供:OAG)