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2020.08.05

ウイングトラベル

★20年春闘、コロナ禍でかつてない厳しい状況

 雇用確保優先、賃金改善・一時金前年下回る

 サービス・ツーリズム産業労働組合連合会(サービス連合)は8月4日に記者会見を行い、2020年春季生活闘争(春闘)の総括と先日書面審議を行った第20回定期大会の議事内容について説明を行った。今年の春闘は新型コロナウイルスの影響で賃金改善、一時金交渉が長期化。そうした中で雇用を守ることを最優先にしつつも、人財の流出を防ぐために労働条件の維持・向上を実現するための労使交渉が行われた。その結果、ベースアップに相当する「実質的な賃金改善」の回答を引き出した企業は減少。一時金についても前年実績から約0.5カ月下回る結果となった。
 今年の春闘についてサービス連合の後藤常康会長は「これまでにない厳しい環境での交渉となった」と総括した。春闘の交渉が本格化した今年3月の段階では新型コロナウイルスの感染拡大と春闘とは切り離して交渉を進めてきた。しかし、感染が拡大する中で旅行業、宿泊業とも業績への影響が深刻化した。そうした状況の中で経営側は賃金と一時金を別にして交渉を行うケースが目立ち、ギリギリまで業績を見極めながら労使協議を展開する格好となった。このため、昨年と比較して合意が遅くなった加盟組合は賃金交渉で28組合、一時金交渉で30組合となった。

 

 賃金改善額、昨年から210円減少
 年間一時金、0.54カ月減の2.41カ月に
 コロナ対応、解雇・賃金カット問題の支援強化
 業界向け給付金実現へ、雇用と事業継続性両立
■2021年からの長期ビジョンを策定へ
 今後10年の姿を想定し5つの柱を設定

※写真=記者会見で春闘の振り返りや今後の活動に関する方向性を説明するサービス連合の後藤常康会長