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2020.07.15

WING

20年版防衛白書、中国の“執拗な”現状変更続く

中国国防費が30年で44倍に、中東情勢にも注目

 防衛省は7月14日の閣議終了後、2020(令和2)年版防衛白書を発表した。日本周辺の安全保障環境や防衛省・自衛隊の活動について、おおむね今年3月までとなる2019年度を中心にまとめた。特に新型コロナウイルス感染症に関する活動や、イージス・アショア配備停止など大きなトピックは、6月末ごろまでの状況を記載する。特筆すべきは中国に関する表記で、一方的な現状変更の試みを執拗に継続しているとして、比較的強い表現で中国の行動を示した。また、諸外国の軍事動向や安全保障協力の紹介などでは、中東地域に関する説明を新たに加え、中東情勢にも注目した。
 日本を取り巻く安全保障環境の中でも、中国の軍事動向については、国防政策や軍事関連の不透明性とあいまって、日本を含む地域と国際社会において安全保障上強い懸念があると評した。一方で影響力についても評価していて、地域やグローバルな課題に対して、協調的なかたちで積極的に役割を果たすことが期待されるとした。
 最近の動向としては、透明性を欠きながらも継続的に国防費を増加させていることに注目。2020年の中国の国防費は約1兆2680億元、日本円にして約20兆2881億円に上った。これは、30年前の1990年と比較して約44倍の規模で、20年間では約11倍、10年間では約2.4倍と、速いペースで増加させているとした。加えて軍事力の質・量・範囲の急速な強化だ。核・ミサイル戦力や、海上・航空戦力を強化させているとして、2019年10月に極超音速滑空兵器を搭載可能とするDF-17準中距離弾道ミサイルが初めて登場したことや、同年12月には中国発の国産空母「山東」が海南島で就役したことなどを指摘した。さらにサイバー・電磁波・宇宙といった新領域での優勢確保を重視しているとした。さらには、軍事利用可能な先端技術の開発・獲得へ積極的に取り組んでいることを指摘したほか、インテリジェント化戦争にも機微に反応して軍による人工知能活用への取り組みにも注目した。

 

中国公船が尖閣周辺接続水域で活動
19年は282日で過去最多、第1四半期は連続64日

 

コロナ禍で偽情報による宣伝工作も実施
日本周辺で積極的に行動、現状変更の試み継続

 

北朝鮮はいぜん脅威、ロシア行動が活発化

 

防衛白書刊行50周年、令和にちなんだ桃色の表紙

 

※図1=2020(令和2)年版防衛白書の表紙(提供:防衛省)

※図2=英語版ダイジェストの一部(提供:防衛省)