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2020.06.23

ウイングトラベル

★JATA会長に坂巻氏、新任副会長に高橋JTB社長

 理事・事務局長に池畑氏、志村理事長は留任

 日本旅行業協会(JATA)は6月22日の通常総会で、任期満了に伴う役員改選を行い、田川博己会長が退任し、新会長には坂巻伸昭東武トップツアーズ社長が就任する人事を正式に決定した。坂巻氏の会長就任に伴い、新任副会長には高橋広行JTB社長が就任し、菊間潤吾副会長(ワールド航空サービス会長)、堀坂明弘副会長(日本旅行社長)とともに新役員体制が決定した。また、越智良典理事・事務局長は退任し、後任には池畑孝治JATA調査役が就任した。志村格理事長は留任する。
 退任した田川前会長は特別顧問に、越智前理事・事務局長は参与に就任した。越智氏は参与としてコロナ対策などへの助言を行う。
 このほか、新任理事に米田昭正KNT-CTホールディングス社長が就任、江利川宗光ジャルパック社長は運営役員から理事に昇格した。新任運営役員には、農協観光の清水清男氏(6月26日の総会で代表取締役社長に就任予定)、高橋誠一ANAセールス社長、山野邉淳エイチ・アイ・エス取締役上席執行役員の3名が選任された。
 なお、HISは2019年4月1日付でJATA正会員から協力会員に移行していたが、2020年6月15日付でJATA保証社員となり、6月22日開催のJATA理事会で正会員としての再入会が決議された。

 

※写真=固い握手をかわす坂巻伸昭JATA新会長(右)と、田川博己前会長

 

※写真=JATA新役員。左から、高橋広行副会長、菊間潤吾副会長、坂巻伸昭会長、堀坂明弘副会長

 

 坂巻新会長、「原点に立ち返った協会運営を」
 協調と共創テーマに国内外の関係者と連携強化

 JATA新会長に就任した坂巻伸昭氏は、就任あいさつで、「今、旅行業はかつて経験したことのない厳しい局面にさらされている。このような時こそJATA設立時の原点に立ち返り、会員のために何ができるのかを常に意識した協会運営を進めたい。その基本となるのは、旅行業の原点である『人』という部分にしっかりと対面していきたい」と述べ、「共に歩む協調、共に創る共創をテーマに取り組んでいく」と就任に当たっての抱負を述べた。
 坂巻新会長は、旅行業の原点である『人』について、「JATAを運営している皆様一人一人、その所属する会社の従業員、そして一番大切なお客様、大切なパートナーである旅館、ホテル、運輸機関をはじめ、これからますます深くタッグを組んでいく観光庁や地方自治体、地域の方々。さらに、国内のみならず各国の関係業界の皆さんとの連携も今まで以上に強化することが必要。こうした方々としっかり向き合う協会運営をしていきたい」と意欲を示した。

 

※写真=定時総会で就任あいさつをする坂巻JATA新会長

 

 田川前会長、「交流の力再認識、自信もって進もう」
 国際相互交流の再開へ、あらゆる力を結集

 今総会で会長を退任した田川博己氏は、「今年で業界歴50年を迎えるが、今回のコロナによる影響は甚大。ただ、3カ月近い在宅勤務でわかったのは、人は一人では生きていけない。人間は、人々との交流で喜怒哀楽を感じる。その価値観を最も提供しているのが旅行業界。人と触れ合う交流の力を再認識した。自信をもって生業を前に進めよう」と呼びかけた。「会長在任中はいろいろな出来事があったが、多くの仲間に支えられた。本当に感謝する。新しい執行部がこの難局に立ち向かってくれると思う」として、新体制のもとで業界が一致団結して難局を乗り越えることを願った。

 

※写真=総会であいさつする田川博己前会長

 

 田端長官、リアルならではの企画提案力発揮を
 国際交流の再開へ、民間から大きな声あげて

 来賓を代表してあいさつに立った田端浩観光庁長官は、国内旅行の需要喚起のために8月初旬からスタートさせる計画のGo Toトラベル事業について、「量のみを追求する薄利多売のために1.3兆円を計上したのではない。旅行業界や宿泊業界などの観光産業界が一致団結して取り組んでほしい。リアルエージェントだからこその企画提案力を発揮して、より長く滞在してもらうためのメニューの充実や、平日への分散など、新しい旅行スタイルを提案してほしい」と、業界に知恵を絞るよう発破をかけた。
 Go Toトラベル事業については、運営事務局の再公募を行っているが、「6月29日に締め切り、選定委員会でしっかり審査して実行していく。8月の早い時期から迅速にスタートできるようにしていきたい」と意欲を示し、「旅行産業界にも支援を賜りたい」とした。

 

※写真=観光産業界に発破をかける田端浩観光庁長官

 

 JATA、総会でもコロナに攻めの姿勢貫く
 2020年度は減収1億円見込み事業絞り込み

 今総会は、コロナ対策でも攻めの姿勢を貫くJATAらしく、万全の対策を講じた上で開催された。檀上の役員席や演台には、飛沫感染防止のための透明アクリル板が設置されたほか、参加者はマスク着用に加えて、会場でフェイスシールドが配布された。入口には消毒液を設置、マイクも都度消毒するなど、徹底した対策に旅行業界がコロナに立ち向かう気合を感じさせた。

 

※写真=志村格理事長は留任した。マスクにフェイスシールドを付けた完全防備で総会に臨む

 

※写真=越智良典前理事・事務局長

 

※写真=JATA総会の様子