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2020.06.16

ウイングトラベル

★国内旅行活性化で新型コロナ後の観光再興へ

 政府、2020年版の観光白書を閣議決定

 政府は6月16日、令和2年(2020年)版の「観光白書」を閣議決定した。2019年は訪日外国人旅行者数が前年比2.2%増の3188万人となり、前年に比べ小幅な伸びながら過去最高を更新した。また、日本人の海外旅行者数は前年比2008万人となり初の2000万人の大台を突破した。国内旅行は宿泊旅行が7.1%増の3億1162万人、日帰り旅行が1.8%増の2億7548万人となった。
 また、今回の白書では新型コロナウイルス感染症の拡大による観光産業への影響と雇用の維持・事業の継続などを最優先とした政府の取り組みを紹介するとともに、新型コロナウイルス収束後に再度観光による地方創生を実現させるために、日本人国内旅行の動向と活性化に向けた取り組みや訪日外国人旅行者の地方部訪問状況と消費動向、誘客に向けた取り組みについて重点的に掲載した。
 日本の観光動向の分析に先駆けて白書では国連世界観光機関(UNWTO)がまとめた世界の観光動向を紹介した。
 それによると2019年の世界全体の国際観光客数は前年比3.8%増の14億6100万人となり、2009年以降10年連続で増加となった。地域別の国際観光客数をみると欧州への旅行者数が最も多く7億4230万人となった。アジア・太平洋地域は4.6%増の3億6360万人となり、地域別では最も高い伸び率となった。

 

 国際観光客数ランキング、11位相当に
 空路・海路限定では7位、観光収入も7位相当

 2018年の「外国人旅行者受入数ランキング」を見ると日本(3119万人)は11位となり、前年の12位から1ランク上昇した。これを2019年の実績(3188万人)をあてはめると、18年と同様の順位となった。また、空路・海路による外国人旅行者受入数では2018年のランキングは世界で7位、アジアで1位となり、前年から1ランク順位を押し上げた。これを2019年の数値に当てはめると18年同様に7位に相当する数値となっている。一方、国際観光収入ランキングを見ると、日本は2018年は421億ドルとなった。

 

 アウトバウンドは2000万人の大台を突破
 新型コロナ収束見極めつつ、活性化策展開

 白書では、アウトバウンド2000万人達成は「観光先進国」の実現に向けた新しい時代を切り開くための出発点となるとするとともに、2020年は新型コロナウイルス感染症の収束時期を見極めつつ、アウトバウンド活性化に向けたさまざまな取り組みを官民一体となって展開していくとした。

 

 再度の地方創生へ国内旅行経験率上昇がカギ
 休暇の分散化や旅行素材の高付加価値化実現を
 地方への訪日外客誘致へ、リピーター獲得重要
 宿泊施設は外国語教育や館内改装で稼働率上昇