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2020.06.16

WING

三菱航空機、人員半数超削減で欧米海外拠点の大半閉鎖

米国と欧州本社、ダラス営業拠点やモントリオールも
 
 スペースジェットの開発で苦境に喘ぐ三菱航空機が、多くの海外拠点を閉鎖することを決めた。米国ワシントン州レントンにある米国三菱航空機本社と英国ロンドンにある欧州三菱航空機、さらには米国テキサス州ダラスにあるダラス営業拠点、そしてカナダ・モントリオールにある「スペースジェットモントリオールセンター」も閉鎖する。残る海外拠点は米国ワシントン州モーゼスレイクにある飛行試験拠点「モーゼスレイクフライトテストセンター」のみに絞る。閉鎖する拠点が担ってきた機能は、県営名古屋空港(小牧)にある本社に集約する。
 現状、三菱航空機のスタッフ数は総勢約2000名体制となっているが、その約半数以上の人員を削減するという大鉈を振るう。これにより海外拠点を続々と閉鎖することを決定した。
 顧客に近いところに拠点を構えることを是とする航空機産業だが、スペースジェットが欧米市場をメインターゲットとしてきただけに、その欧米各拠点からの撤退は今後の事業展開に大きな痛手となることは避けられそうにない。
 三菱航空機によれば、型式証明取得や顧客に対する機体納入がスタートするなど、取り巻く環境が変化すれば、将来的には海外拠点を復活することも視野に入れているとしている。

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※写真=三菱航空機は社員の半数以上を削減し欧米の多くの拠点を閉鎖するという大鉈を振るう。欧米市場が主戦場であるだけに欧米拠点閉鎖は痛い(提供:三菱航空機)