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大熊ダイヤ、ダイヤモンド半導体をレーダーに
地政学リスク無し、GaNに比べて大幅性能向上
中国による対日レアアース輸出規制問題は、さまざまな産業界への波及することが懸念されており、産業界は戦々恐々だ。従前より中国やロシアなどに依存しないレアアースおよびレアメタルの供給網を確立していくことが、安全保障上の喫緊の課題とされてきた。昨年11月の台湾有事を巡る高市首相の発言を受け日中政府関係が急速に悪化したなか、この問題があらためて浮き彫りになった形だ。政府は国産レアアースの確保に向けて、海洋研究開発機構(JAMSTEC)が保有する地球深部探査船「ちきゅう」を、日本の最東端に位置する南鳥島沖へと派遣。その海底には豊富なレアアースが眠るとされ、採鉱に向けて水深6000メートルの深海で試験する。
レアメタルとしては「ガリウム」(Ga)も中国への依存度が非常に高い資源の一つだ。窒素と化合した半導体ガリウムナイトライド(GaN:窒化ガリウム)は、高い電子移動特性や優れた熱伝導性により、LED、スマートフォンやパソコン、太陽光発電、輸送機など、さまざまな用途で活用されている。さらに戦闘機や艦艇に搭載するレーダーにも不可欠な半導体材料だ。
パワー半導体として注目される窒化ガリウムだが、今後もデータセンターなど、需要が増大していくことを見越し、政府は米国と協力して豪州にガリウムの生産設備を整備するべく調査事業に乗り出した。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が双日と共に、西豪州における米アルミ大手のアルコア傘下のアルコア・オブ・オーストラリアが保有するアルミナ精錬所でガリウム生産に向けた共同調査事業に出資した。同事業では2026年中にガリウムの生産を開始することを計画している。
※画像=ダイヤモンド半導体は地政学的リスクが少なく、レーダー性能の向上も図ることができる次世代半導体として期待される(提供:大熊ダイヤモンドデバイス)
