★負債1000万円以上のコロナ禍破綻244件に

　TSR調査「氷山の一角」小・零細企業直撃

　東京商工リサーチ（TSR）によると、6月12日現在で、負債1000万円以上の新型コロナウイルス関連の経営破綻は、全国で244件に達した。内訳は倒産172件、弁護士一任・準備中72件。2月2件、3月23件から4月84件に急増、5月も83件と高止まりで推移し、6月は12日時点で52件となり、月間100件ペースと加速度を増している。
　経営破綻244件のうち、従業員数が判明した232件の従業員数は8111人に達した。従業員数が5人未満が全体の32.3％に当たる75件で、10人未満は51.7％の120件と過半数を占める。一方、300人以上は2.1％の5件で、コロナ禍の経営破綻は小規模・零細企業を直撃している。
　旅行業者を含めて小・零細規模企業や商店は、負債を膨らませても返済の見通しが立たないことから制度融資や支援策などを活用せず、廃業を決断するケースも出ている。逆に、制度融資で資金調達した後、破産を申請したホテルもある。

※画像＝コロナ禍による都道府県別の経営破綻件数（出所：東京商工リサーチ）