記事検索はこちらで→
2020.06.11

ウイングトラベル

★WTTC、夏前の制限緩和を各国政府に要望

 旅行制限緩和が秋以降なら雇用1.9億人損失

 世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)は、新型コロナウイルスによる旅行制限が長期化し、旅行制限の緩和が秋以降にずれ込めば、旅行・観光産業で1億9700万人以上の雇用が失われ、5.5兆ドルのGDPが損失する恐れがあるとして、各国政府に対して夏前に旅行制限を緩和するよう行動を呼びかける声明を出した。
 WTTCは、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、ローカルやグローバルな旅行制限が行われており、それによって旅行・観光産業が直面している影響度を調査した。
 それによると、夏休みのバケーションシーズンの後に旅行制限が緩和される最悪のシナリオでは、世界中で1億9750万人の雇用が失われる可能性があるとしている。これは、WTTCが前回の調査で推計した雇用損失の恐れがあるとした1億80万人から96%も増加しており、旅行制限の長期化が与えるダメージが非常に大きいことを裏付けた。また、長期にわたる旅行制限により、世界のGDPに対する旅行・観光産業の貢献額は5兆5430億ドルも損失すると試算しており、これは2019年と比較して62%減という非常に大きなマイナスインパクトを与えるとしている。

 

 最悪シナリオなら国際観光客数73%減に
 3つの回復シナリオ、最良シナリオで損失半減

 WTTCは、旅行制限が解除される時期によって、3つのシナリオを描いている。
 まず、最悪のシナリオとして、現在の旅行制限が続き、近場や地域内の旅行が9月から、中距離が10月から、長距離が11月から緩和された場合、世界の旅行・観光産業全体で1億9750万人の雇用が失われ、世界のGDPに5兆5430億ドルの損失を与える可能性があるとした。この場合、2020年の国際観光客数は前年より73%減少すると予測した。

 

※写真=WTTCは旅行制限の早期緩和を各国政府に呼びかけている