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2020.05.26

WING

ACI、世界の空港は10兆円規模の損失予想

業界は「サバイバルモードに突入」

 世界空港評議会(ACI)はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大で、2020年は世界の空港全体で実に970億米ドル(10兆4559億円)以上もの減収を見込んでいることを明らかにした。旅客数は46億人以上減少すると予想しており、新型コロナウイルスの感染拡大で崩壊した路線ネットワークの影響を大きく受ける見通しにあることを明らかにした。
 新興国経済の成長に伴って、可処分所得を有するいわゆるミドルクラス層が拡大し、航空需要は右肩上がりに成長した。この流れにのって、世界で最も混雑する上位20空港における旅客取扱数は昨年、対前年比1.7%増加した。ACIによれば15億人以上の人々が上位20空港の各ターミナルを通過しており、この上位20空港の航空旅客数だけで世界全体の航空旅客輸送量の実に17%をカバーしたという。
 そうしたなか2020年がスタートすると状況は一変。新型コロナウイルスの感染拡大が顕在化し、「世界の空港が事実上、足踏み状態に陥り、すべての地域で旅客数の減少および大きな損失が発生」(アンジェラ・ギッテンス局長)している。・・・

 

※写真=航空会社と同様、世界の空港の業績も急速に悪化している。ACIは今年の損失を10兆円以上と予想した。写真は新型コロナの影響で閑散とする成田空港