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2020.05.26

WING

こうのとり9号機、国際宇宙ステーションと結合

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は5月26日、「こうのとり9号機」(HTV9)が、国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングに成功したことを発表した。
 JAXAによれば、「こうのとり9号機」はISSに向けて接近した後、5月25日21時13分に、ISSのロボットアームによって把持。26日の午前3時25分に、ロボットアームの運用によって、ISSとの結合を完了した。
 ISSとの結合を完了した「こうのとり9号機」には、宇宙飛行士の生活物資のほか、新型バッテリーなど、ISSの運用に必要不可欠な様々な物資を搭載している。
 さらには様々な実験装置も搭載しており、例えば固体燃焼実験装置は、FLAREプロジェクトとして自然対流のない宇宙ステーションの環境(微小重力環境)を活かし、固体材料の着火・火炎燃え拡がりなどの燃焼現象に対し重力が果たす役割を、様々な固体材料を用いて科学的に明らかにすることが目的だ。
 また、「きぼう」有償利用の機器としては超小型衛星搭載用地球観測カメラ、Space Studio KIBO開設(宇宙放送局)に必要な各種機材、さらには宇宙アバター(space avatar)用カメラ・映像伝送装置も輸送した。
 なお、「こうのとり9号機」を使って、ワイヤレスLANリアルタイム伝送技術軌道上実証も行う。この実証は「往路のISS下方からの接近時」、「係留中」、「離脱時」に、近づく或いは遠ざかるISSの様子を撮影してWLAN通信によりアルタイムでISSに伝送するミッションだ。HTV-Xにおいて検討中のISSに対する自動ドッキングの技術実証に先立ってWLANを使用した映像伝送技術実証を実施する。