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2020.05.19

WING

陸自新小銃、制式名は「20式5.56mm小銃」に

水機団、教育機関、即機連などから配備へ  陸上幕僚監部は5月18日、陸上自衛隊が選定した新小銃および新拳銃を報道公開した。当初は今年3月末の部隊使用承認と制式名称発表を予定していたものの、新型コロナウイルス感染症の影響を受けて発表を延期。ようやく決定した新小銃と新拳銃の制式名称は「20式5.56mm小銃(ニイマル式)」と「9mm拳銃SFP9」になった。
 陸上自衛隊では現在装備している89式5.56mm小銃と9mm拳銃の後継として、昨年12月6日に新小銃を豊和工業製「HOWA5.56」に、新拳銃をドイツ・ヘッケラー&コッホ社製の「SFP9」に決定したと発表していたところ。ちなみに、2020年(令和2年)度予算では20式小銃を3283丁で約9億3000万円(1丁あたり約28万円)、9mm拳銃SFP9を323丁約2100万円(1丁あたり約6万5000円)で取得することになっている。

 

20式小銃は89式小銃より短縮化、重量は同等
64式・89式小銃を完全に置き換えるかは未定

 

 報道陣に公開した20式小銃(試験用小銃)を見てみると、20式小銃は全長854ミリメートル(銃床最短時は783ミリ)と、現行の89式小銃(920ミリ)より大きく短縮。これは、主に銃身長が短くなったためで、20式小銃の銃身長は330ミリ(89式小銃は420ミリ)とコンパクトになっている。一方で、重量は約3.5キログラムと、金属部品が多く銃床も可変式となったためか、89式小銃と同等の重さとなっている。
 陸幕広報室は20式小銃の特徴として、「排水性などが向上したことによる耐環境性、可変型の頬・肩当てや銃身長を89式小銃よりも短縮したことなどによる操用性向上」を挙げており、「水陸機動団の水陸機動連隊をはじめ、富士学校などの教育機関、陸上総隊、即応機動連隊など全国の普通科部隊に優先的に配備していく予定」と話す。また、「89式小銃開発時とは違い、20式小銃は豊和工業が独自に開発した」と述べている。なお、この20式小銃によって全国陸上自衛隊が装備している89式小銃および64式小銃を置き換えるかは、「現時点では回答出来る状況にない」としている。ちなみに、89式小銃の時に閉所戦闘訓練教材として調達したエアガンを今回も同様に調達するかに関しては、「調達の予定に関して聞いている話はない」との回答を得た。
 20式小銃の外観は現代風になっており、銃上面をはじめ銃四面に設置した20ミリレールが目立つ。このレールを使用して、光学照準機を載せることができるほか、フォアグリップを兼ねた二脚、アドオン式グレネードなどを装着可能となっている。また、分解結合の様子は今回公開しなかったものの、部品点数は89式小銃と変わらないという。さらに、06式小銃てき弾を装着することも可能なほか、弾倉なども89式小銃のものを装着することが出来、「使えないのは薬莢受けぐらい」ととのこと。
 搭載する光学照準機に関しては、機材は決定しているが、今後の調達になるとのことで、調達数などは未定だ。また、イタリア・ベレッタ製のアドオン式グレネードも展示していたが、こちらも、小銃分隊あたりの配備数も含め、調達数については「部隊の能力に係わるため回答できない」と陸幕広報室は答えている。
 20式小銃の銃剣は89式と同じもので、取付けることが可能だ。ただし、20式小銃用の銃剣は鞘が89式小銃用の銃剣鞘と異なっており、銃剣と組み合わせて鉄条網などを切り開くことができる鉄線鋏(ワイヤーカッター)が無くなっている。
 弾倉は残弾数を確認できる窓付きの樹脂製で30発入りとなっている。ちなみに、89式小銃では後方部隊向けに20発入り弾倉も存在したが、「20式小銃は現在のところ普通科部隊を中心に配備するため、20発入り弾倉は調達していない。後方部隊へ20式小銃を配備するなど、必要となれば調達する」と陸幕広報室は語った。・・・

 

新拳銃は15発仕様の「9mm拳銃SFP9」 グリップ後部の形状を3種から選択可能に

 

〈20式小銃および9mm拳銃SFP9の諸元〉 (20式小銃) ▼全長:854ミリメートル(銃床最短時は783ミリ) ▼重量:約3.5キログラム ▼口径:5.56ミリメートル ▼銃身長:330ミリメートル ▼作動方式:不明(5月20日、陸幕からの回答により訂正) ▼使用弾薬:5.56ミリ普通弾(89式と同じ) ▼装弾数:30発 ▼製造会社:豊和工業 ▼配備先:水機団、即応機動連隊、教育部隊など、普通科部隊に優先して配備 ▼特徴:排水性向上などによる耐環境性、89式に比べ短銃身化したことによる操用性向上

 

(9mm拳銃SFP9) ▼全長:約18センチメートル ▼重量:約800グラム ▼口径:9ミリメートル ▼作動方式:ストライカー式 ▼使用弾薬:9×19ミリパラベラム弾(9ミリ拳銃と同じ) ▼装弾数:15発 ▼製造会社:ヘッケラー&コッホ

 

※写真=陸上自衛隊の新小銃「20式小銃」がお披露目。現代的なデザインとなり、海水などに浸かっても良い様に排水性などが向上しているという