記事検索はこちらで→
2020.01.30

WING

ボーイング、787型機を月産10機まで減産

21年初頭から月産10機、23年に月産12機に回復も

 ボーイングは1月29日(米国シカゴ現地時間)、787ドリームライナーの月産生産レートについて、2021年初頭から月産10機に下げることを明らかにした。同社の決算発表において、グレゴリー・スミス最高財務責任者(CFO)が明らかにした。ボーイングは昨年、月産14機で生産中の787型機の生産レートについて、2020年後半から月産12機に減産することを表明。今回スミスCFOは、2021年初頭から生産量を更に引き下げた月産10機とすることを決めたことを明らかにした。その「2023年から月産12機に生産量を戻す」とことも明かした。
 スミスCFOによると、「世界貿易の環境は、広胴機の生産計画、とくに787プログラムに課題をもたらした」として、米中貿易紛争に代表される昨今の世界貿易の停滞が広胴機市場に影響を及ぼしていることに言及。「環境を継続的に評価して、さらにレート調整が必要かどうかを判断している」とした。
 日本の航空機産業にとって現在787型機は稼ぎ頭。その787型機の生産量が減少することによって、日本の航空機産業も打撃を受けることになりそうだ。
 そうしたなか昨年、今年後半から月産14機の生産量を月産12機へと減産することを表明した際には、減産措置は2年間限定の措置であることに言及していたが、今回あらたに2021年初頭から月産10機、2023年から月産12機にすることを決めた一方、生産レートを月産14機に戻すことには言及がなかった。
 日本の航空機産業は787プログラムにおいて、35%もの高いワークシェアを有する。三菱重工が主翼ボックスを、川崎重工が前部胴体、中胴下部構造、主翼固定後縁を、SUBARUが中央翼および主脚格納部を生産することを筆頭に、新明和工業が主翼前後桁など、多くの企業が様々な構造、装備品を供給することで、同プログラムの開発・生産に深く係わってきた。・・・

 

■787減産、一方でNMAローンチの行方は?

 

※写真=787ドリームライナーの生産量が21年初頭から月産10機にまで減少する。日本の航空機産業界も対応を迫られることになりそうだ