記事検索はこちらで→
2020.01.09

WING

寒風吹く航空貨物市場、11月需要は前年比1.1%減

IATA11月貨物実績、eコマース牽引も貿易紛争など影響続く

 国際航空運送協会(IATA)は1月8日(ジュネーブ現地時間)、2019年11月における世界の航空貨物取扱実績を公表した。それによると、航空貨物需要を示すFTKは前年同月比1.1%減少したとのことで、これによりFTKは13ヵ月連続で前年割れの実績を記録したことになる。なお、貨物スペースの供給量を示すAFTKは2.9%拡大。供給量の拡大は19ヵ月連続のこととなった。
 航空貨物市場において大きな悩みの種だった米中貿易紛争の緊張が緩和に向かおうとし他一方、年明け早々、米国とイラン間の緊張が高まっている。2020年という新たな年を迎えたが、まだまだ航空貨物市場にとって長いトンネルが続くかもしれない。
 IATAは11月のFTKについて、2019年3月以降の8ヵ月間のなかでは、最も高いFTKだったと振り返っている。これは年末に向かって航空貨物需要は増大する傾向にあるとみられ、IATAもシングルズデー、あるいはブラックフライデーなどの大規模なeコマースイベントの重要性の高まりを反映したと分析した。
 しかしながら、eコマースが航空需要を押し上げたとしても、やはり世界の航空貨物市場には、依然として強い寒風が吹き込んでいることには変わりはない。米中貿易戦争に端を発する世界貿易の悪化のほか、世界的な経済成長の減速の影響から逆風に直面し続けていることが現状だ。
 IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアックCEOは、FTKが前年比1.1%減少した一方で前月の10月実績の3.5%減少に比べると改善したことに言及。しかしながら、「通常、第4四半期は航空貨物のピークシーズンであることを考えると非常に残念な結果だ」とコメントした。その上で、「米中貿易の緊張の解消の兆候は朗報」との見方を示しながらも、一方で「現在の取引条件は非常に厳しいままだ」とも話した。