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2020.01.08

WING

デンソー、eVTOL機向けのモータ、インバータなど開発推進

空と地上でシナジー、モータのトルク/出力密度は車比3倍

 空の移動革命ツールとして、国内外で開発競争が繰り広げられている垂直離着陸電動航空機(eVTOL機)。空飛ぶクルマとも呼ばれる新たな移動ツールの研究開発が進められている。日本国内でも次世代の基幹産業の一角を担う可能性があることから、大手企業はもちろん、スタートアップが立ち上がり、熱視線を浴びている。このeVTOL機は何も航空機産業以外にも自動車、電機産業など、これまでは「空」とは係わりのなかった企業が注目していることも大きな特徴だ。
 自動車の電動化にいち早く貢献してきたデンソーもまた、eVTOL機で「空」というフィールドへ進出することを目指している。デンソーは長年に亘って自動車分野で得意としてきたモータ、インバータなどの分野でeVTOL機向けの研究開発を進めている様相で、モータではとりわけ軽量化が重要との認識を示しつつ、モータのトルク/出力密度は「現在の量産レベルの車のトルクレベルは10Nm/kg。空(eVTOL機)の目標レベルとしては、だいたい車の3倍に相当する30Nm/kgを目指す」(デンソーモータ先行開発部・三戸信二氏)としている。
 ちなみに、モータと並行して研究開発を進めているインバータでは、高速および低損失SWの研究開発を推進しているところ。さらに、「超電導などの材料革新を活かしたモーターというものでも競争力を向上することも考えられるため、そういうところにも取り組んでいきたい」としている。

 

空とクルマの開発循環でシナジーに期待

 

車と空のモータに求められる違いは?
軽量化、高トルク、冷却性、高信頼性など技術課題に

 

※画像=空飛ぶ車のようなeVTOL機は次世代の基幹産業として期待が大きい。デンソーなど、これまで自動車産業で培った電動化技術を活かそうと、他産業から「空」へ進出することを目指す国内外の企業は少なくない。画像はSkyDriveの空飛ぶ車(提供:SkyDrive)