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2019.09.25

WING

自衛隊観艦式、韓国海軍は招待せず不参加に

山村海幕長「招待するための環境は十分ではない」

 海上幕僚監部は9月24日、「令和元年度自衛隊観艦式」および「フリートウィーク」の概要を発表した。3年振りの観艦式は10月14日に相模湾で行われ、海上自衛隊はじめ海上保安庁や各国海軍の艦艇46隻と航空機40機が参加する予定となっている。また、10月5日から14日までの間、「フリートウィーク」として、横浜と横須賀において護衛艦等の一般公開や満艦飾、音楽演奏、シンポジウムといった各種イベントを実施する。
 今回の観艦式では韓国海軍の参加が注目されるところだが、自衛隊哨戒機に対する火器管制レーダーの照射問題等で対立が深まる日韓関係から、韓国海軍は不参加となった。ちなみに韓国海軍は過去に2002年の国際観艦式、2015年の観艦式の計2回参加している。
 山村海幕長は、「日韓関係は非常に厳しい状況が続いており、これらの状況を踏まえれば、今回の観艦式に韓国艦艇を招待するための環境は、十分に整っていないものと防衛省・自衛隊として総合的に判断した」と述べ、今回の観艦式に韓国海軍を招待しなかったことを示唆した。その上で、「日本周辺及び地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、日韓・日米間の連携は重要であると考えており、海上自衛隊としては、政府の対応状況を踏まえつつ、韓国海軍との交流について、適切に検討していく所存だ」として、韓国海軍との交流が完全に途絶えている訳では無いことを強調した。
 また、中国海軍が今回初参加する理由としては、今年4月下旬の中国人民解放海軍創設70周年記念行事に、山村海幕長と護衛艦「すずつき」が参加した返礼として艦艇を派遣したとの認識を示している。

 

護衛艦「いずも」に観閲官乗艦を計画
青少年向け乗艦券の設定等、隊員募集も図る

 

 今回の観艦式では、観閲部隊に護衛艦「たかなみ」、「いずも」、「こんごう」、「ちょうかい」、「あけぼの」が、観閲付属部隊として輸送艦「しもきた」、護衛艦「むらさめ」、「いかづち」、練習艦「せとゆき」が参加。受閲艦艇部隊は旗艦を護衛艦「あさひ」が務め、「かが」や「あたご」等の艦艇が参加する予定だ。また、受閲航空機部隊としてP-1を指揮官機に、海上自衛隊航空機はじめ陸上自衛隊CH-47 3機のほか、航空自衛隊F-2A/B 3機、F-15J/DJ 3機が参加する。さらに米海軍のP-8A 1機も参加するとのこと。
 外国海軍の参加では、中国海軍が初参加して艦艇1隻を派遣するほか、カナダ海軍(艦艇1隻)、シンガポール海軍(艦艇1隻)、英海軍(艦艇1隻)、米海軍(艦艇1隻、P-8A 1機)インド海軍(艦艇2隻)、豪海軍(艦艇4隻)の計7ヵ国が参加する。
 山村浩海上幕僚長は同日の定例会見で、観艦式の意義を「部隊および隊員の士気を高め、合わせて自衛隊に対する国民の理解と信頼を深めることが目的。国際親善や防衛交流を促進する機会にもなっている」と語る。また、「今回の観艦式は初めて観閲官が護衛艦『いずも』に乗艦することを計画している。特に前回の観艦式と比べ、隊員募集により重点を置く観点から、一般の乗艦券とは別に、高校1年生から30歳までを対象とした青少年向けの乗艦券を設けた」と述べて、隊員募集のための広報としても重要視していることを明かした。

 

〈令和元年度観艦式概要〉
▼期日:10/14
▼場所:相模湾
▼実施責任者:海上幕僚長 山村浩海将
▼執行者:自衛艦隊司令官 糟井裕之海将
▼参加艦艇等:艦艇46隻、航空機40機(基準)
▼部隊編成=
(観閲部隊)
護衛艦「たかなみ」、「いずも」、「こんごう」、「ちょうかい」、「あけぼの」
(観閲付属部隊)
輸送艦「しもきた」、護衛艦「むらさめ」、「いかづち」、練習艦「せとゆき」
(受閲艦艇部隊)
・旗艦:護衛艦「あさひ」
・受閲第1群:護衛艦「かが」、「はるさめ」、「さみだれ」、「ありあけ」
・受閲第2群:護衛艦「あたご」、「ふゆづき」、「ちくま」、練習艦「やまゆき」
・受閲第3群:護衛艦「はたかぜ」、「しまかぜ」
・受閲第4群:補給艦「ましゅう」
・受閲第5群:輸送艦「くにさき」、掃海母艦「うらが」、掃海艦「ひらど」、掃海艇「はつしま」、「あいしま」、「ゆげしま」
・受閲第6群:潜水艦「しょうりゅう」、「こくりゅう」、「せとしお」
・受閲第7群:ミサイル艇「はやぶさ」、「おおたか」、「くまたか」
(祝賀航行部隊)
・護衛艦「てるづき」、海上保安庁「いず」、カナダ艦艇1隻、中国艦艇1隻、シンガポール艦艇1隻、英艦艇1隻、米艦艇1隻、インド艦艇2隻、豪艦艇4隻
(受閲航空部隊)
・指揮官機:P-1 1機
・受閲第1群:SH-60J/K 3機
・受閲第2群:陸自CH-47 3機
・受閲第3群:TC-90 3機
・受閲第4群:C-130R 1機
・受閲第5群:US-2 2機
・受閲第6群:P-3C 3機
・受閲第7群:空自F-2A/B 3機
・受閲第8群:空自F-15D/DJ 3機
・受閲第9群:米海軍P-8A 1機
・受閲第10群:P-1 3機
(訓練展示艦艇部隊)
・展示第1群(祝砲発射):護衛艦「はたかぜ」、「しまかぜ」
・展示第2群(ミサイル艇航行、IRデコイ投下):ミサイル艇「はやぶさ」、「おおたか」、「くまたか」
(訓練展示航空部隊)
・展示第1群(対潜爆弾投下):P-3C 3機
・展示第2群(IRフレアー発射):P-1 3機
・展示第3群(離着水):US-2 2機
・展示第4群(編隊連携機動飛行):空自ブルーインパルス

 

※写真=山村浩海上幕僚長は「韓国艦艇を招待するための環境は十分に整っていない」として、韓国海軍を招待しなかったことを述べた