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2019.09.03

WING

レイセオン、ESSMブロック2の低率初度生産を受注

二重モードレーダーを持つ中射程艦対空ミサイル

 レイセオンは8月26日、米海軍よりアクティブとセミアクティブの二重モードのレーダーを持つ新しい誘導システムを特徴とするESSM(エボルブド・シースパロウ・ミサイル)ブロック2の低率初度生産契約を、1億9000万ドルで受注したことを明らかにした。この受注は米海軍が開発フェーズから量産フェーズへの移行を決定したもので、能力向上型中距離艦対空ミサイルであるブロック2型ミサイルが、2020年中に初度運用能力を獲得する見通しが得られたためである。
 ESSMミサイルは、米海軍の空母および大型強襲揚陸艦に搭載されている主要な自衛用ミサイルであり、米海軍の多層艦隊防空の構成コンポーネントのひとつであり、巡洋艦、駆逐艦の自衛用ともなっている。
 また、ESSMは世界中で約200隻の海軍艦艇に実戦配備され、いくつかの同盟国海軍では対艦ミサイル防衛の基盤となっている。ESSM計画はNATO主導の12ヵ国のコンソーシアムとの協力事業となっており、12ヵ国の内訳はオーストラリア、ベルギー、カナダ、デンマーク、ドイツ、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、トルコ、米国となっている。

 

※写真=米海軍の試験で発射されたESSMブロック2中射程艦対空ミサイル(提供:米海軍)