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2019.09.03

ウイングトラベル

羽田国際線昼間枠、9カ国地域に50便配分決定

新規就航は露・豪・印・伊など7カ国・地域に

 国土交通省は9月2日、2020年夏ダイヤから年間3万9000回増枠する羽田空港国際線昼間時間帯(午前6時〜22時55分)の発着枠配分について、1日当たり50便の国別配分数を決定したことを発表した。このうち約半分に相当する24便は、既報の通り日本と米国を結ぶ路線について配分することが決定済みで、残りの配分について新たに中国線に8便、ロシア線と豪州線に4便を振り分けるほか、インド、イタリア、トルコ、フィンランド、そしてスカンジナビア(デンマーク、スウェーデン、ノルウェーの3カ国に対して配分)に対して、それぞれ2便ずつを配分することを発表した。この配分について、本邦企業、相手国企業で半分ずつに分けて運航する。ちなみにロシア、豪州、インド、イタリア、トルコ、フィンランド、スカンジナビアの7カ国・地域については、今回実施する増枠によって、昼間時間帯に初めて就航することになる。
 これらの9カ国・地域への配分を決定したことについて、航空局の大沼俊之国際航空課長は、「インバウンドの拡大と、東京ひいては日本の国際競争力強化に繋げるため」と説明。米国、中国、ロシア、豪州、インドといった大国はもちろん、その他の各国・地域については、各国・地域の空港が有するネットワークへの期待や将来需要の成長性といった観点から決定したことを明らかにした。

 

 日中交渉、地点・便数規制の大幅緩和に合意
 日本企業は深セン、青島、上海、大連に就航

 一方、中国に対しては8便(日中それぞれ4便ずつ)が配分されているが、中国との交渉の結果、これまで日中双方で各々の企業に対する規制をかけてきたが、これを大幅に緩和することに合意した。
 具体的にはこれまで、北京、上海を発地とする中国企業については、成田・羽田以外の日本の国内空港に就航するトータル便数に制約がかかっていたが、この制限を撤廃する。それと共に、日本側の成田から北京、上海以外の空港に就航することにも上限が設けられていたが、これも撤廃することになった。

 

 本邦企業配分、ANA13.5便、JALは11.5便

 航空局は増枠する1日50便分を9カ国・地域へ配分することを決定したが、前述したように、この50便分を本邦企業25便、相手国先企業25便で折半する。このうち本邦企業に対する配分について、全日空(ANA)に13.5便分を、日本航空(JAL)に対して11.5便を配分することも決めた。
 航空局の岡野まさ子航空事業課長は配分について、「相手国との間の輸送需要動向、相手国の航空会社との提携状況を勘案しつつ、インバウンドおよびアウトバウンド双方向の多様なネットワーク形成で配分を決めた」とコメント。米国、中国、ロシア、豪州、インドといった国々ではANA、JAL双方ともに同数配分となったが、イタリア、トルコ、スカンジナビア、そしてフィランドでは、それぞれのANA、JAL双方が展開するコードシェアなどといった提携関係を考慮した配分となった。

 

〈国別配分数〉
■本邦企業=25便分、相手先企業:25便分
・米国=本邦企業:12便分、相手国企業:12便分
・中国=本邦企業:4便分、相手国企業:4便分
・ロシア=本邦企業:2便分、相手国企業:2便分
・豪州=本邦企業:2便分、相手国企業:2便分
・インド=本邦企業:1便分、相手国企業:1便分
・イタリア=本邦企業:1便分、相手国企業:1便分
・トルコ=本邦企業:1便分、相手国企業:1便分
・フィンランド=本邦企業:1便分、相手国企業:1便分
・スカンジナビア=本邦企業:1便分、相手国企業:1便分

 

〈本邦航空会社に対する企業別配分数〉
■ANA=13.5便分、JAL=11.5便分
・米国=ANA:6便分、JAL:6便分
・中国=ANA:2便分、JAL:2便分
・ロシア=ANA:1便分、JAL:1便分
・豪州=ANA:1便分、JAL:1便分
・インド=ANA:0.5便分、JAL:0.5便分※深夜早朝枠とあわせて1便運航
・イタリア=ANA:1便分、JAL:−
・トルコ=ANA:1便分、JAL:−
・フィンランド=ANA:−、JAL:1便分
・スカンジナビア=ANA:1便分、JAL:−

 

※写真=羽田空港国際線増枠分の国別配分と本邦企業に対する配分が決定した。旺盛な訪日需要の更なる取り込みを目指すほか、日本・東京の国際競争力強化に繋げる