WING
初代装備庁長官が語る防衛生産・産業強化に向けた一策
ウクライナ戦に学ぶ、先端技術早期実装や消耗戦耐える継戦能力
日本の安全保障環境が厳しさを増すなか、質が高く、かつ大量の防衛装備を保持することが重要な時代になってきた。さらに、AI(人工知能)や量子コンピューティング、そして無人技術など、日進月歩で進化する技術を、いかに防衛・安全保障に取り込むことができるのかという観点も、鍵となろう。日本の防衛産業はどのような方向に向かっていくべきなのか―――。初代防衛装備庁長官で、現・防衛技術協会理事長の渡辺英明氏(以下、渡辺理事長)が提言する。
まもなく4年が経過するウクライナ戦争。圧倒的な戦力を誇るロシアによる電撃戦を苦しみながらも食い止め、今なお戦線を支えているウクライナ軍に学ぶところは多い。
渡辺理事長は「ウクライナ戦争は大量の弾薬・装備の必要性、無人機の重要性、そしてサプライチェーンの脆弱性など、現代戦の現実を我々に突きつけた」とコメント。安全保障環境変化および現代戦の課題を踏まえ、来年度にも新たに改訂する予定の国家安全保障戦略など安保関連3文書において、「防衛産業が官需依存から脱却し、国家存立を支える基盤産業へと最低限強化することが必要。国家基盤としての防衛産業を如何にして再構築すべきか考えるべき」ことを強く主張。「最大の眼目は、装備技術を如何に迅速・確実に実装するか」であることに触れ、①研究開発・実証、②国際協力・装備移転、③調達・サプライチェーン、④産業サイバーセキュリティ、⑤産業基盤(企業・人材)という5つの領域に言及。これらの領域における課題を克服することが、「真に国家の存立を支える基盤産業へと変革することになる」との持論を展開した。
※この記事の概要
・装備品の国際展開準備を
日米生産基盤一体化も強調
・消耗戦耐える供給網構築
先端技術実装の鍵MOSA
・サイバー・AI人材を確保せよ
防衛技術者待遇改善が喫緊課題 など
