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2025.11.20

WING

組立作業のセルフロックナット、自動着座検知システム開発

 熟練度依存無くし正確な締め付け、検査の効率化などに寄与

 大阪公立大学大学院情報学研究科の中島智晴教授、楠木祥文講師らの研究グループが、航空機の組み立て作業に使用するセルフロックナットを、自動で締め付けるハンドナットランナのための自動着座検知システムを開発した。作業者の熟練度に依存することなく、短時間で正確な締め付けが可能になることで、検査工程の効率化と作業の安全性向上に繋がることが期待されそうだ。
 航空機を組み立てる際、セルフロックナットを使用しているケースがある。セルフロックナットとは、ゆるみにくいようにネジ山の一部を変形させたナットだ。振動や温度変化でも自然に回りにくい構造となっている。ただ、このナットは緩み防止のために変形加工されているため、ハンドナットランナでネジ締め付けを行ったとしても、ネジ締め付け完了を自動検知することが難しい。さらに、締め付け過剰によってネジが破損してしまい、ボルトのネジ部に傷が入る可能性もあって、熟練工は長年の経験と感覚で判断することができるものの、そうではない作業者には難しい作業だ。

※画像=ハンドナットランナで締付けを行う様子。自動着座検知システムを開発した(提供:大阪公立大)