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2025.10.29

WING

防衛省、認知領域含む情報戦対策を強化へ

 AIでの情報収集能力強化、“見えない戦場”に挑む

 “日本が3時間以内にロシア太平洋艦隊を壊滅させる”“むらさめ型護衛艦が北朝鮮に撃沈された”“自衛隊が140機のステルス戦闘機を隠し持っている!”
 いかにも眉唾な話がSNSや動画配信プラットフォームを通じ、中国語や英語で拡散している。当然ながら、いずれも虚偽情報だ。出典を偽装したかたちでまことしやかに流布される。こうした情報の発信元は、国家主導・民間主体を問わず特定が難しい。しかし多様な経路で情報が流れ続ければ、国内外へ悪影響を及ぼすことになる。これが情報戦における戦い。防衛省では、こうした偽情報が国民の不安や、国際的な誤解を招くリスクを警戒している。
 そこで防衛省・自衛隊では、認知領域を含む情報戦への対応を強化するため、情報の分析・対処の体制強化へ本格的に取り組む。特に力を入れるのは多様な情報収集能力の獲得。その上で偽情報などあらゆる脅威に対して真偽や意図などを見極め、様々な手段で無力化などの対処を行う。同盟国・同志国などとも連携し、適切な情報を迅速・戦略的に発信する。そうした取組みによって日本の意思決定を防護し、望ましい安全保障環境を構築する。ただし日本の信頼を棄損するような、SNSなどを介した偽情報の流布や、世論操作、謀略などは行わないこととする。