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2025.10.21

WING

中谷大臣、1年振返り人・装備・同盟を同時強化

 日本守る議論と国民の理解得ることが引続き重要

 中谷元防衛大臣は、10月17日の会見で3期目の防衛大臣就任から1年を総括し、これまで行った取組みとして次年度概算要求(8.8兆円)による着実な防衛力強化とともに、人材確保の抜本策、無人アセットおよびスタンド・オフ防衛装備の量産・研究、産業基盤強化などを挙げた。与党自民党は日本維新の会との連立によって、高市政権が樹立する見通しで、防衛大臣の新たな選出が確実視される。中谷大臣は、今後の判断は新内閣に委ねるとしつつ、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の中で、「日本の平和と独立、国民の命と平和な暮らしを守り抜くために何が必要か、十分に検討し、説明し、議論し、国民の理解・納得・共感を得ていくことが重要」とし、議論を継続させるべきだと述べた。
 とりわけ最優先で取り組んだのが人的基盤の立て直し。総理指示を受け立ち上げた関係閣僚会議では、手当の新設・引上げ、生活・勤務環境の改善、新たな生涯設計支援を実行することを決めた。また防衛力の抜本的強化による装備面での強化は、近年の情勢から重要視される無人アセットによる防衛能力強化と、抑止力強化にもつながるスタンド・オフ装備の量産や研究・開発を進めたほか、電磁波領域など領域横断の能力整備を前進させた。さらに産業面では「防衛生産・技術基盤は防衛力そのもの」と位置づけ、基盤強化策を積み上げたとしてこれまでの取組みを振り返った。