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「国民の自衛官」表彰式、9人2機関を選出

国際的な活躍、地道な努力積み重ねた自衛官称える
フジサンケイグループ主催、航空新聞社が特別協賛する第23回「国民の自衛官」表彰式は10月14日に都内ホテルで開かれ、自衛官9人と自衛隊2機関の受章を祝した。受章した統幕学校の国際平和協力センターは創設の2010年以降、計1529人が研修に参加しており、今年には中級課程が国連の訓練課程として認証された。また自衛隊中央病院のリハビリテーション技術課は、ウクライナの負傷兵を受け入れ、言葉や文化の垣根を超えて義足による歩行訓練をサポートし、ウクライナから表彰された。自衛隊は日本の防衛を司る組織ではあるものの、近年では国際社会の平和と安定にも積極的に貢献している。今回の表彰は、そうした自衛隊の姿勢を色濃く反映した内容になったといえる。
「国民の自衛官」は、民間唯一の自衛官顕彰制度。これまで212人24部隊、計236組を表彰してきた。今回選ばれた2機関のほか、陸上自衛隊からは2人、海上自衛隊からは4人、航空自衛隊からは3人の合計9人が選ばれた。中でも空自第3輸送航空隊の野田潤3等空佐は、C-2輸送機のパイロットとして国内外の重要なミッションに取り組み、能登半島地震では人員や物資の輸送を行ったほか、今年6月には中東での邦人退避のためにジブチへ飛んだ。
陸自中央輸送隊の髙橋亜里2等陸曹は、准看護士として武山駐屯地へ勤務する中、業務時間外に通信制看護学校で勉強して、自力で正看護師資格を取得した。2人の子どもを育て、家事をこなしながらも目標を達成したチャレンジングな姿勢が高く評価された。
自衛隊体育学校第2教育課の佐藤大宗3等海尉は、昨年パリ五輪の近代5種競技で日本人初の銀メダルを獲得した。この競技はフェンシング、水泳、馬術、射撃、ランからなり、キング・オブ・スポーツともいわれる。競技を始めたころは水泳以外はほぼ経験がなかったが、努力を積み重ねたことで世界トップクラスにまで上った。
※写真1=「国民の自衛官」に9人2機関が選ばれた