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ボーイングCEO、777Xの認証作業遅れに懸念

CFOにスケジュール遅延の徹底検証と対応指示
ボーイングのケリー・オルトバーグ最高経営責任者(CEO)は9月11日(現地時間)、モルガンスタンレーのカンファレンスに登壇。各プログラムの進捗状況を明らかにした。このなかでオルトバーグCEOは、現在開発中の777Xプログラムについて、社内飛行試験は順調に進んでいるものの、「認証作業を集中的に消化する必要がある段階に差し掛かっており、その進捗が遅れている」ことを明らかにした。
777Xは新型コロナパンデミック、飛行試験中に発生したトラブルの影響によって、開発に遅れが生じており、初号機の納入は2026年となっている。現在、5機の飛行試験機を投入した各種試験が急ピッチで展開されているが、認証作業の遅れは否めない。
オルトバーグCEOは「多くの飛行ミッションを遂行しており、機体やエンジンに新たな技術的問題は発生していない。つまり、機体もエンジンも非常に良好な性能を発揮している」と話し、飛行試験自体はトラブル無く順調に進んでいることを強調しながらも、一方で認証作業の遅れに懸念を示したかたちだ。
「飛行することは可能だが、TIA(型式検査承認)を段階的に取得しなければならい」と説明。TIAはFAAが規定した設計要件を、機体が満たしているかを確認するもの。この認証を取得することで、型式証明取得に向けた最終的な認定飛行試験を実施することが可能であるというお墨付きを、FAAから取得することを意味するものだ。
※画像=777Xの認証作業に遅れの懸念。TIAが思うように進んでいない様相だ
※この記事の概要
・トランプ関税で受注活動は強烈な追い風
・MAX生産レート上昇へFAAと協議近いか
・787は月産7機に、来年には計画通り10機へ
応需能力拡大へ生産能力拡大、28年に整備完了
・MAX月産42機化にサプライチェーン不安なし
・MAXエンジン防氷システム加熱問題、設計は順調
MAX7とMAX10の認証取得へ作業進む など