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三菱重工、豪新型フリゲートを29年度納入

3隻を日本で建造、豪国内でまずは修繕事業構築
豪州の次期汎用フリゲート艦プログラム選定において豪州政府は8月5日、日本の護衛艦「もがみ」型をベースとした能力向上型を採用することを日本政府に伝達した。ドイツのティッセンクルップ・マリン・システムズとの間で繰り広げた厳しい商戦を、日本が制したかたちだ。豪州政府は現有のアンザック級フリゲート艦の老朽更新として、11隻の次期汎用フリゲート艦を導入する。ここに三菱重工業ら日本が提案した「もがみ」型護衛艦の能力向上型を充てる見通しだ。
これまで日本政府主導でUS-2、P-1、潜水艦など、諸外国への防衛装備品輸出に取り組んできたが、いずれも海外輸出の知見不足など、高い壁に阻まれてきた。そこに豪州次期汎用フリゲート艦という、過去最大の防衛装備品海外移転案件を獲得することに成功。実績とノウハウを蓄積したことで、防衛装備品の海外移転が今後盛り上がりをみせていくことが期待されそうだ。
三菱重工業の西尾浩最高財務責任者(CFO)は8月6日の決算会見で「まだ受注に至った訳ではない」と前置きしつつ、「契約納期は1隻目が2029年度であるため、そこに向けて、まずは一隻目を建造することになる」と述べた。