【潮流】観光「不均衡」の課題
都内ホテルで開催された「2025 韓日観光交流の夕べ」は、韓国文化体育観光部の張美蘭第二次官をはじめとする韓国側の要人と、国土交通省の高橋克法副大臣ら日本側の来賓が勢揃いし、昨年の日韓観光交流が1200万人を超えた実績を祝う盛大なレセプションとなった。
しかし、各来賓からの発言には「アンバランス」という言葉が飛び交った。河村建夫日韓親善協会中央会会長が率直に指摘した通り、人口比から考えれば本来あるべき状態とは逆転した現象が続いている。
昨年の訪日外国人は、過去最高の約3700万人。そのうち、韓国からの訪問者は実に4分の1を占める。一方、訪韓する日本人は約320万人に留まり、訪韓外国人全体の5分の1を占めるに過ぎない。人口規模では日本が韓国の2倍以上あることを考えれば、この数字の不均衡は明らかだ。
台湾との間にも同様の現象が見られる。人口約2300万人の台湾から500万人以上が日本を訪れる一方、日本から台湾への渡航者数はその半分にも満たない。こうした「インバウンド偏重」の傾向は、日本の観光政策における構造的な課題を浮き彫りにしている。