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2018.04.06

WING特集

陸自、陸上総隊新編行事を開催

小野寺防相「陸海空の力を最大限発揮」

 陸上自衛隊は、このほど新たに編成された陸上総隊の新編行事を朝霞駐屯地で行った。会場には隷下部隊として、前身となった中央即応集団から引き継がれた部隊に加え、新編された水陸機動団やシステム通信団を加えた約270名の隊員が行事に参加。陸上総隊司令官の小林茂陸将が、小野寺五典防衛大臣から司令官旗を受け取り、同部隊の編成完結を報告した。
 式典では小野寺大臣が訓辞として、陸上総隊創設の意義を述べるとともに、新たに発生したイラク派遣の日報問題に触れて、国民の信頼回復に努めるよう求めた。
 小野寺大臣は、1954年に陸上自衛隊が創設されて以来、陸自のあり方が時代を反映して大きく変化してきたとし、安全保障環境が厳しくなった今、陸上自衛隊は歴史的な変革期を迎えることになったとして、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射を挙げて、変革の必要性を強調した。
 さらに、南北・米朝首脳会談に向けた動きにも言及し「北朝鮮の動向についてはしっかりと見極めていく必要がある」と述べた。さらに、南西地域では中国軍の活動が活発化していることや、大規模災害に備える必要性もあるとして「自衛隊は従来以上に全国レベルで機動的に活動する必要がある」と強調。
 そのため、陸自各方面隊を束ねる統一司令部が必要だとした。小野寺大臣はさらに、陸上総隊の創設によって各方面隊を一元的に運用する体制へ大きく変化すると説明した上で、「陸海空全自衛隊の力を最大限に発揮させることが陸上総隊に科せられた任務」であり、続けて「新たな挑戦に全力で取り組んでほしい」と激励した。
 日報問題について、情報公開や文書管理は「法令に従って適切に実施するべき重要な業務」として、信頼回復に努めるよう求めた。
 小林陸将は式典後の会見で、初代の陸上総隊司令官に就任したことに「大変な重責に身の引き締まる思いを感じている」と述べるとともに、司令官として“即動必遂”を統率方針に掲げて、「日本の平和と独立を守り、そして国民に安心と安全を届けることができるよう、職務に邁進する」との考えを示した。