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2019.07.01

WING

川崎重工、G20大阪サミットで宇宙ゴミ除去技術を展示

2020年打上げ目指す除去技術実証衛星模型など出展

 川崎重工は6月27~30日、大阪で開催された「G20大阪サミット」での先端技術展示の一環として、宇宙ゴミ(スペースデブリ)捕獲除去技術に関する超小型実証衛星DRUMS(Debris Removal Unprecedented Micro-Satellite)の2分の1模型展示と関連動画紹介を実施した。DRUMSは2020年に打上げを目指している60キログラム級超小型衛星で、デブリ除去技術のうちデブリ(非協力ターゲット)への接近技術と捕獲技術の軌道上での実証を目的としている。実験ではDRUMSから模擬ターゲットを放出し、これを画像センサで捉え、画像処理により相対距離と相対角度を計算し、相対航法でターゲットに接近、模擬捕捉位置まで到達することを計画している。
 川崎重工が提案しているデブリ捕捉技術の全体計画では、大型デブリのロケット上段部の捕獲を目標としている。画像処理による接近後、テザー(紐)の先端に取り付けた4本の伸縮ブーム(棒)を上段部先端の衛星分離部(PAF)の円形の縁に引っ掛けて固定し、伸ばしたテザーに通電して推力(ローレンツ力)を発生させ、軌道離脱、大気圏再突入処分を図るというもの。

 

※写真=G20大阪サミットで展示した宇宙ゴミ除去実証衛星DRUMSの模型。白い円筒形の部分が模擬ターゲットで放出される(提供:川崎重工)