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2025.10.31

WING

ANAHD第2四半期は売上げ1兆1904億円で過去最高

 NCA完全子会社化でシナジー創出、さらなる成長へ

 ANAホールディングス(ANAHD)の芝田浩二社長は10月30日に決算会見を開き、2026年3月期第2四半期(2025年4月1日~9月30日)連結決算を発表した。日本貨物航空(NCA)の完全子会社化などで、売上高が前年同期比8.3%増の1兆1904億円と、上期として過去最高となった。利益面では、事業規模を回復させながら、夏場の旅客需要を着実に取り込んだが、円安影響や外部委託費や人件費などのコスト増加などによって営業利益が9.9%減の976億円となり、経常利益が15.3%減の951億円、当期純利益が5.8%減の760億円となった。
 ANAHDによると、国際旅客は三国間流動が減少する中で訪日や日本発需要の獲得を図り、旅客キロを前年より11%拡大した。一方で、為替や三国間流動の競争激化でイールドが7%低下した。国内旅客は、大阪・関西万博需要や、夏期繁忙期を中心としたレジャー需要を獲得し、さらに4月の運賃値上げの効果によって単価が2%上昇した。国際貨物は、アジア発北米向けの需要の取込みを強化したことで重量が増加した一方、為替や他社供給量増加の影響で、単価が6%低下した。
 注目すべきは、ANAHDが8月1日にNCAの全株式を取得し、完全子会社化を完了した点だ。これにより、ANAグループはNCAの欧米線貨物ネットワークとANAのアジア・日本国内線ネットワークを統合し、シナジー効果を発揮している。NCAは、10機の747-8Fによる自社事業と、香港子会社によるPlus事業を展開し、自社事業では収益性の高い欧米線の輸送重量が約半分を占め、営業利益ベースで20億円規模の効果があったとしており、ANAグループとして貨物分野での競争力が大きく強化した。