2018.04.16

WING

システムが複雑化する航空機、サイバー攻撃から守れ!

エフセキュア、航空業界向けサイバーセキュリティ商品化

 新たなテクノロジーやシステムによって、最新鋭の航空機たちは飛躍的な進化を遂げた。かつてはカスタマイズすることが難しかった航空機は、個々にカスタマイズされた一層”複雑”なものとなっている。フィンランドのサイバーセキュリティ企業で、この分野では世界でも二番目に古い歴史を有するエフセキュアのリージョナルディレクターであるキース・マーティン氏は、「航空機をカスタマイズすることができるようになったため、システムが複雑化してきた。そのシステムが複雑になればなるほど、セキュリティを確保することは容易ではない」との認識を示した。一方で生産効率性を追求する業界では、「iPadやスマートフォンなど汎用品を作業に組み込んでおり、生産性を高めることに成功したが、セキュリティの観点ではハッキング余地が生まれているとも言われている」という。マーティン氏は航空業界では各社が様々な先進的な取り組みを講じているとしながらも、「人が介在する限り、完璧はない」と指摘する。
 航空業界のサイバーセキュリティ対策は幾重にも張り巡らされたプロテクトがかけられている。それでもそれをすり抜けるかたちでサイバーアタックによる被害を被るケースが散見されている。日本でも、日本航空(JAL)が昨年2月、振り込め詐欺による被害を受けたことや空港がサイバー攻撃を受けたことは記憶にあたらしい。
 そうしたなかエフセキュアでは、エアライン向けの航空サイバーセキュリティサービスの提供を、日本を含めたグローバル規模で提供することを開始した。
 エフセキュアでは、「これまでも顧客からオファーがあれば、プロジェクトベースで航空会社向けにサーバーセキュリティのサービスを提供してきた」とのことだが、需要が大きいこともあって、「組織化して商品として提供することにした」という。
 商品化する以前には世界の大手航空会社など約7社に対してプロジェクトベースでサービスを提供した実績があるとのことで、「今後は日本市場にも商品として提案していきたい」としている。
 エフセキュアはサイバーセキュリティ分野ではマカフィーに次ぐ古参企業とのこと。「人員規模は約1200名の企業で、様々な分野に特化したセキュリティを提供する研究ベースのセキュリティ・ベンダー。最近ではサイバーセキュリティがかなりブームになっているが、我々はずっと以前から取り組みを進めてきている」とのことだ。
 そのエフセキュアが航空業界向けにサイバーセキュリティサービスを商品化したのは、同社に元パイロットのヒューゴ・テソ氏が2015年に責任者として加わったことが大きい。テソ氏の加入以降、「同部署を拡張してきており、サービスとして提供することができるとの確信を得るに至った」ことを明かした。
 現在、航空業界向けサイバーセキュリティサービスを提供する部署のコアメンバーは「3名から5名ほど」とのこと。しかしながら、「全体の規模としては十数名規模」の体制となっているという。人員規模を拡大したことで、これまでは顧客からリクエストがあればプロジェクト対応でサービスを提供してきたが、サービスを商品化して、市場に提供することができるようになった。ちなみにコアメンバーについても、「今後人員を拡大していくことになるだろう」との見方を示している。

 

※写真=エフセキュアのリージョナルディレクターであるキース・マーティン氏