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2020.08.28

WING

NAA田村社長、PCRセンターに期待「準備着実に」

処理1日5000人規模も厳しい状況、規制緩和を歓迎

 成田国際空港会社(NAA)の田村明比古社長は8月27日の会見で、政府が出入国緩和に向けて9月から主要空港へ設置するPCRセンターについて、政府とともに場所の提供など調整を図っているところだと説明。検査体制が「拡充へ進められることは、非常に期待している」と述べて、落ち込んだ航空需要回復への期待感を示すとともに、「NAAとしても(設置を)受け入れられるよう、準備を着実に進めていきたい」と、滞りなくPCRセンターを設置できるよう、力を入れていく考えを示した。
 政府は、コロナウイルス感染症の拡大によって規制される出入国を緩和するため、成田空港のほか、羽田空港、関西空港へPCRセンターを設置する方針を示す。成田空港の8月現在の検査処理能力は、1日1000人程度といったところ。それがPCRセンター設置後には、処理能力がおよそ5000人規模まで拡大できる見込みだという。現状、1日約1000人の検査体制でも、鼻から検体を採取する従来の方式に加え、唾液を採取する方式も実施できるようになったことで、かなり待ち時間を減らすことができた。検査のキャパシティは非常に限られている状況だ。
 また田村社長は、現状の対応は感染拡大を防止する水際対策に注力するべき段階だとして、出入国者に対して厳しい制限が課せられることは「やむを得ない」とした。しかしながら、PCRセンターを設置した後でも厳しい状況は変わらず、5000人規模の処理能力を獲得しても「去年に比べれば人数が一桁違う」というのだ。
 今後、航空需要が回復していくなかで、出入国前に検査を行う体制を続けていくことは難しいという。「諸外国では、入国前にすべて検査する体制を取っている国は限られている」と話し、諸外国の例として、相手国リスクに応じた対応を取る国や、検査自体を要求しない国もあるなど説明した。その上で「各国の様々な対応状況を勘案しながら、日本の検査体制もフェーズに応じて変わっていくべき」だと述べて、規制緩和へ向けた動きを歓迎する姿勢を示した。

 

テナント支援一部継続、今年度は最低補償額撤廃
支払い猶予も継続検討、状況見てさらなる対応も

 

さらなる機能強化、ターミナル再編の検討開始
老朽化進む施設「相当手を入れる必要ある」

 

※写真=コロナ禍で厳しい状況も、PCRセンター整備という拡大姿勢に期待

 

■成田運用状況、8月速報値で出国者97.4%減
「依然として低空飛行」、国内回復も9月減少懸念

 

7月発着数、国際旅客便は7月最低も貨物便最高に

 

■9月10日にランプセントラルタワー供用開始

 


※写真=新・旧ランプタワーと管制塔