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2020.08.25

ウイングトラベル

★旅行業者の事業廃止は高止まり、再び上昇傾向

 8月の官報掲載は52社、4-8月累計で323社に

 新型コロナウイルスによる旅行需要蒸発の影響で、観光産業は依然として危機的状況におかれており、旅行業者による事業廃止も高止まりの状況が続いている。8月に官報公示された旅行業者の事業廃止に伴う営業保証金や弁済業務保証金の取戻し公告は、計52社となり、再び増加に転じた。コロナによる影響が深刻化した今年4月以降では、4月79社、5月90社、6月58社、7月44社、8月52社で推移しており、5月をピークに落ち着きを見せつつあったが、8月は再び増加した。4-8月の累計では323社に達した。
 7月22日からは政府によるGo Toトラベル事業が開始され、感染拡大防止を図りつつ国内旅行需要を回復させていく取り組みが始まっているが、感染再拡大の兆候を受けて東京発着の旅行を除外、夏休みの旅行や帰省も自粛する傾向が強まるなど、厳しい夏となったことから、今後の動向も注視していく必要がある。
 とくにインバウンドや海外旅行など、国際交流を主力に取り扱っていた事業者ほど先行きの展望も見えず、厳しい状況にある。現在は雇用調整助成金などの政府による支援策でなんとか持ちこたえている状況にあり、雇用調整助成金の日額上限を1万5000円に引き上げる特例措置の9月末から年末への延長など、支援策の継続が求められる。
 また、PCR検査や唾液抗原検査などの早期拡充により、国際交流を再開させていくために必要な環境整備が一刻も早く進むことが期待される。