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2020.08.18

ウイングトラベル

★夏の旅客需要激減、国内線47.5%〜85.6%減

 飛べない国際線、大手旅客数は90%超減

 航空各社は8月17日、今年の夏季繁忙期(8月7日〜16日:10日間)実績を発表した。新型コロナ禍により夏の航空旅客需要は大幅に減少し、国内線旅客数は前年比47.5%〜85.6%減となるなど、危機的な状況に陥っている。国際線に至っては各国政府の厳しい出入国制限措置で運航できない会社もみられ、大手2社(ANA、JAL)の国際線旅客数でさえ前年比96%〜97%減となり、限定的なビジネス渡航を除いて需要が消失した。
 政府の緊急事態宣言が解除された5月25日以降、国内線は需要回復の兆しがみえていた。航空会社各社も夏の国内線予約に手応えを感じ始め、国内線座席供給量回復へと舵を切った。
 国際線は相変わらず各国政府による厳しい出入国制限が続き、ほとんどの路線で運航することすらできない状況だが、各社は国内線に光明を見出し、なかには国内線の座席供給量を前年並みにまで戻した航空会社もあった。
 しかし、7月に入ると状況が一変。東京を中心に新型コロナの新規感染者数が急増したことを端緒に、全国各地で感染者数が拡大。政府の観光振興策「Go To トラベル」キャンペーンもその影響を受け、自粛ムードの広がりで夏の旅行・航空需要喚起には繋がらず、結果として、航空会社各社が当初期待した夏の需要とは大きくかけ離れたかたちとなった。航空各社は予約が思うように伸びないことから、お盆を含めた夏季繁忙期期間の追加減便を発表するところも出た。
 そうして終えた今夏繁忙期の大手航空2社の実績をみると、全日空(ANA)の国内線搭乗者数は前年比69.6%減の47万8650人に留まった。一方、日本航空(JAL)の国内線旅客数も65.9%減の39万102人といずれも6割以上減少した。