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2020.05.21

ウイングトラベル

★観光庁、安全・安心の旅行実現へ詳細な指針策定

 海外旅行含め、旅行の形態に応じて必要な対策を網羅

 観光庁の田端浩長官は5月20日の業界紙会見で、新型コロナウイルス流行終息後の安心・安全な旅行実現に向けて、先般観光関連業界から公表されたガイドラインに加えて、観光・ツアーの場面に応じたより詳細な指針を作っていく考えを明らかにした。田端長官は「今回公表されたガイドラインで、新たな生活様式のもとで経済活動を実現するための方向性は構築できた。これに加えて観光需要や国際交流の回復に向けては、専門家の意見を踏まえてもう少し踏み込んだものを構築していく必要がある」と述べ、現在注力している早期の感染終息に向けた取り組みや事業者の資金繰りをはじめとした経営支援と並行して、新たな旅行スタイルの実現に向けた活動に取り組んでいく方針だ。
 5月14日に39県に対して緊急事態宣言が解除されたことにあわせて、各産業において新型コロナウイルス対応ガイドラインが取りまとめられ、従業員と顧客の感染予防策や事業活動の中で講ずるべき内容について取りまとめられた。観光関連でも、旅行会社、宿泊施設、交通事業者など各業界ごとにガイドラインがとりまとめられたところだ。
 観光庁も各業界のガイドライン策定に向けて必要な情報提供や助言などのサポートを行ってきた。田端長官も「より実践的な対策を取りまとめることができたのではないか」と評価した。

 

 Go Toトラベルキャンペーン実施準備に着手
 今後2か月程度で運営体制を構築へ

 観光再開に向けての第一歩の取り組みとなるのが、先般成立した補正予算に盛り込まれた「Go Toキャンペーン」だ。このうち観光需要喚起に関する「Go toトラベル」事業には1兆3500億円の予算が投じられ、旅行代金の2分の1相当(1人最大2万円)の宿泊・日帰り旅行商品の割引と地場の土産物店、飲食施設、観光施設などで幅広く使用できるクーポンを発行し国内の観光需要を強力に喚起していくことにしている。

 

 4月出国日本人99.8%減、訪日外客99.9%減
 終息状況見据え航空再開支援、外客受入整備

 国内旅行の復活の兆しが見え始めた一方で、世界的な渡航制限の影響を受け、海外旅行や訪日インバウンドに関しては依然として動きは止まったままだ。
 日本政府観光局(JNTO)が発表した4月の日本人出国者数は前年同月比99.8%減の3900人。訪日外国人旅行者数は99.9%減の2900人となり、1964年の統計開始以来過去最低の水準となった。

 

 外出自粛期経て新たな旅行スタイル転換の好機に
 繁閑差の平準化など新たな旅行形態実現につながる提案も

 さらに会見で田端長官は「新型コロナウイルスで個人の活動が制限される一方でテレワークやワーケーションなど働き方の形態が変わってきた。また、教育機関ではオンライン授業といった新たな動きもでてきた。今後は新たな生活様式が求められるなかで、旅行のスタイルを変えていくことができる大きなチャンスなのではないか」と指摘した。

 

※写真=業界紙との記者会見に応じる観光庁の田端浩長官

 

※画像=訪日外客数の主要市場別推移(出典:JNTO)