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2019.03.29

WING

ボーイングが施す737MAXのMCAS改修の主な3つポイントとは?

左右のAOAセンサーからデータを常時活用など

 ボーイングは3月27日(米国ワシントン州シアトル現地時間)、737MAXのMCASが問題視されていることを受けて、MCASのアップデート内容を明らかにした。ボーイング民間航空機部門のマイク・シネット副社長が説明した。その改修の主なポイントは大きく3つ。このなかで最も大きな改修ポイントと考えられることは、これまで一系統のみのAOA(Angle of Attack)センサーからのデータを活用していたが、これを左右両方のセンサーから得られたデータを常時活用することにした。
 2点目の改修ポイントとしては、MCASは機体が高迎角状態になった場合に作動して、高迎角状態を正常に戻すが、正常な機体ポジションに戻れば、一度リセットするようにする。仮にリセットした状態で、再度機体が高迎角になれば、MCASが起動して機体ポジションを正常な位置に戻すことにする。つまり、高迎角状態発生ごとに、一度リセットするように改修する。そして最後の3点目のアップデートポイントはパイロットがオーバーライドして、マニュアル操作で機体を制御することができる能力を保持すること。
 ボーイングは今回のMCASをアップデートするソフトウェアを開発するために、数百時間にも及ぶ解析と試験およびシミュレータによる検証に加えて、これまでに二度の飛行試験を実施した。この飛行試験にはFAAの担当者が搭乗するかたちで行われたという。

 

MCASアップデートで追加トレーニングも設定

 

※写真=一系統のみのAOAセンサーからのデータをこれまでは活用していたが、左右両方のセンサーからのデータを常時活用することにした